iDeCoは自分で年金を作る制度。その概要とメリット・デメリットを紹介

2017年からiDeCo(個人型確定拠出年金)の加入対象者が拡大し、少しずつ加入者が増加しているようです。

とはいえ、それでも加入できる人のうち、ほんの一部しか加入していないのが現実です。

僕の周りでもiDeCoに加入しているという人はおらず、名前だけは聞いたことはあるけど…という程度です。

まぁ投資教育を受けていない日本人に、いきなり自分で年金を運用してくださいなんて言っても無理な話ですから当然っちゃ当然の結果でしょう。

しかし、iDeCoには非常に大きなメリットがあることも事実。デメリットもありますが、まずはiDeCoについて勉強することが重要ではないでしょうか。

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iDeCoとは

iDeCoは個人型確定拠出年金とも呼び、一言でいうと自分年金作りの制度です。

毎月掛金を拠出し、運用する商品を選びます。

その運用結果によって将来受け取れる年金の金額が変わる、いわば投資ですね。

運用商品と聞くと怪しさ満載ですが、なかには元本保証の定期預金もあります。

定期預金も利息がつく立派な運用(投資)商品であり、元本が保証されているため、リスクが低い特徴があるだけです。

他には株式や債券などに投資する商品があり、それらは定期預金よりもリターンが大きくなる半面、元本が保証されないこともあります。

日本人は正しい投資教育を受けていないため、元本保証ではない商品という時点で毛嫌いする人が多いでしょう。

しかし、確定拠出年金の特性を考えると、元本保証ではない株式で運用することが最も合理的です。

iDeCoはどうやって始めるのか?

iDeCoは銀行や証券会社で取り扱っているので、各社に口座を開設すれば開始できます。

口座を開設できるのは一つだけなので、どこで開設するかを決めなければなりません。

この時点で選択肢が多すぎて、始める足枷になっているのは間違いないと思いますが、選ぶ基準はシンプルに「取り扱っている商品」と「手数料」を重視しましょう。

金融機関を選ぶ

結論から言うと、iDeCoで選ぶべきはネット証券のSBI証券マネックス証券楽天証券のいずれかがベストです。(今のところ)

その理由としては、運用に掛かる手数料が最安であること・運用できる商品で適切なものが揃っていることが挙げられます。

iDeCoでは、口座管理手数料というもので最低167円が毎月必ず必要になります。これは金融機関とは別の機関に支払う費用なので、どこで口座を開設しても違いはありません。

ネット証券とそれ以外の銀行などで決定的に違うのは、上記3社のネット証券では初期手数料を除けば167円しか掛からないのに対し、銀行などでは金融機関へ支払う手数料も毎月発生してしまいます。

多いところでは月に500円程度取られるところもあります。掛金が少ないほど手数料比率が高くなるので、運用リターンに大きな影響を与えることになってしまいます。

このあたりは、銀行などの投資信託が良くないと言われる理由と同じです。手数料が高すぎてせっかくのリターンを相殺してしまうのです。

お世話になっている銀行からおススメされても、強い意志を持って断りましょう。さもないと、自分の年金を作っているつもりが、ただ銀行マンの給料を払う羽目になります。

途中で金融機関を変更することも可能ですが、手続きも面倒なのでネット証券で開設しておくことをお勧めします。

運用商品を選ぶ

口座を開設した後は、運用商品を選ぶ必要があります。

iDeCoで運用する商品は、トヨタや任天堂などの個別の企業の株式などではなく、投資信託と呼ばれるものになります。

投資信託とは、複数の投資家から資金を集めて様々な企業の株を購入し、個人に代わって運用をしてくれるものです。

良く例えられるのが、詰め合わせパックみたいなものですね。

投資信託を通すことで、個人の資金力では難しい分散投資が可能になります。

例えば、10万円の資金で分散投資をしようと思っても、小型株しか購入できません。ユニクロでおなじみのファーストリテイリングなんて、1株で4万円ほどします。

日本株は主に100株単位で購入するのが基本なので、ファーストリテイリングを購入するだけで約400万円が必要になります。

ほとんどの人にとって、ファーストリテイリングを保有するのは無理な話ですね。

しかし、多くの投資家から資金を集める投資信託では、自分が出した割合分だけファーストリテイリングの株を保有できるイメージになります。

1社だけではなく、広く分散された企業へ少しずつ投資ができるので、少額でもリスクを分散させることができるのが大きなメリットです。

投資の格言には、卵は一つの籠に盛るなというものがあるくらいです。

投資家はただ資金を出資するだけなので、株取引の手間はありません。

ただし、自分の代わりに投資信託が運用してくれることになるので、その費用として信託報酬という手数料を支払います。

この手数料が高ければ優秀な投資信託…ということではありません。詳細は省きますが、基本的には信託報酬は安いに越したことはないです。

投資信託によって、何を対象に投資をしているのかが違います。同じような対象に投資をしている場合は、手数料が安い方を選びましょう。

例えば、日経平均株価に連動する投資成果を目指しますというA信託とB信託。A信託は信託報酬が年率0.5%でB信託は年率0.25%なら、後者を選ぶべきです。

一つの投資信託だけしか選べないわけではなく、複数の投資信託で運用することもできます。というか、基本は複数で運用するべきでしょう。

複数の投資信託を選ぶ場合、それぞれに掛金の配分を設定します。C信託とD信託の商品を選んで、C信託に70%・D信託に30%といった具合ですね。

もちろん、もっと商品を増やしてもかまいませんが、それほど運用に値すべき商品があるかどうかは個人的には疑問です。

商品の選択などを何もしない場合、初期設定でおそらく定期預金が選択されていると思われます。正直、いきなり商品を選べと言われても分からないですよね。

政府はもっと基本的なところから段階を踏むべきだと思いますが、多くの人にとって投資をするポイントは決まっていると言ってもいいです。

詳細はこちらの記事でまとめているので、商品を選ぶ際に参考にしてください。

iDeCoで選ぶべき金融機関と金融商品はこれだ!!
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簡単に言うと、世界分散ができて手数料が安い商品を選ぶことです。

加入対象者

iDeCoは2017年から加入枠が拡大されました。

それによって、

  • 専業主婦等の第3号被保険者
  • 企業型確定拠出年金に加入している第2号被保険者

これらの人も加入できるようになりました。

ただし、加入者のタイプによって毎月拠出できる金額の上限は変わってきます。

あくまでも上限であって、必ずしも上限まで拠出する必要はありません。

生活に支障のない範囲で行うようにしましょう。

iDeCoのメリット

iDeCoは国が推進する制度でもあり、様々なメリットがあります。

掛金が全額所得控除

iDeCoの掛金は全額が所得控除の対象となり、支払う税金を減らすことができます。

毎月の上限が23,000円(年間276,000円)なら、年末調整で申告することで276,000円の控除が受けられることになります。

図のように、課税対象が少なくなることで、支払う税金(所得税・住民税)も少なくなるのは大きなメリットでしょう。

拠出した分は節税になり、将来的にはそれが年金として受け取れるのですから、銀行に積立をするより遥かに優遇されていますね。

運用益が非課税

投資をされていない方にはピンと来ないかも知れませんが、本来投資で得た利益には約20%の税金が掛かります。この利益は分離課税なので、給与所得などとは別で計算されます。

実は、みなさんが銀行に預けている預金につく僅かな利息に対しても、同じように税金が掛かっているのです。

しかし、iDeCoで運用して得られた利益は非課税。

つまり、税金が掛からないようになっています。

投資で非課税となると、NISAという制度も同様です。

違いはiDeCoは年金に特化した制度…とでも考えてもらえばいいでしょう。

非課税によるメリットには、複利効果が最大限に得られることが挙げられます。

かの有名なアインシュタインが、

「人類最大の発見は複利である」

と言ったとか言わなかったとか。

複利に関しての詳細は、こちらでまとめています。

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iDeCoは長期投資が前提となるので、非課税による複利効果は非常に魅力的です。

受取時にも控除がある

将来、iDeCoで運用した資金を受け取る際は、所得として扱われます。

その受け取り時にも控除があるので、よほど大きな資金でない限りほとんど税金が掛からないようになっています。

自分で拠出したお金を受け取るのに税金ってのも不思議な話ですが。

ゼイキンタイコクニッポン…

この控除に関しては、人によって相当複雑になることも有り得ます。

僕も理解するために調べてみたものの、あまりに複雑すぎて少しイラっとしたのは内緒です。

とくに、会社でまとまった退職金などが貰える人は、受け取り方によって税金が大きく変わる可能性があるので、その際は専門家に相談するのが得策だと思います。

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自己破産しても財産が残る

考えたくはないですが、もし自己破産しても、iDeCoで拠出した分は没収されずに年金として受け取れるようです。

…自己破産しないように頑張りましょう。

iDeCoのデメリット

iDeCoには、人によってはデメリットと捉えられるものもあります。

基本的にはそれほど気にする必要はないと思いますが、知っておくことは重要ですね。

途中で解約できない

iDeCoは年金用の制度です。そのため、iDeCoで運用している資金は、原則60歳まで引き出すことができません。

掛金の変更は年に一度しか行えませんので、生活に支障がないようにする必要があります。どうしても拠出するのが難しいときは、掛金の拠出はせずに運用のみ行うこともできます。

拠出している間は加入者となりますが、運用するだけの場合は運用指図者となります。

その際、運用するだけでも最低限発生する手数料は支払う必要があります。

また、運用指図者の間は、受け取り時の控除額を左右する加入期間にも反映されないそうなので、デメリットが大きくなります。

なお、2018年からは拠出限度額が月単位から年単位へ変更されました。

これまで月額で上限が決まっていましたが、変更によって家計の状況に合わせて年間で調整できるようになったので少し融通が利くようになったようです。

途中で解約できないことに関しては、年金作りで簡単に引き出せたら意味がないので、デメリットではなくメリットと考える人もいます。

運用に手数料が掛かる

iDeCoでは、運用するための手数料が必要になります。

手数料には加入時のみ発生する初期費用と、毎月必要な維持費があります。

手数料には金融機関ごとに違いがあるので、なるべく安い金融機関を選ぶことが重要。

僕が利用しているSBI証券の手数料は以下の通りです。

SBI証券では2017年5月より、手数料の大幅な変更がありました。

その結果、SBI証券へ支払う手数料が無料に。僕は初回にSBI運営管理機関にも手数料を支払ったので、なんか損した気分です…

これによって、必要な手数料はSBI証券以外の機関に支払う初期費用2,777円と、毎月の維持費167円のみとなっています。

国民年金基金連合会と事務委託先金融機関に支払う手数料は、必ず発生します。

手数料の違いは各金融機関への手数料分となるので、それが無料であるネット証券を選ばない理由はないですね。運用商品の投資信託へ支払う信託報酬は、これらとは別のものです。

基本的に、手数料は拠出した金額から自動的に引かれます。そのため、あまり手数料を支払っている実感はないと思います。

ちなみに、iDeCoの開始直後は初期費用などの手数料が引かれている分、運用益がマイナスになっている可能性が高いです。

いきなり元本毀損!!

なんて慌てる必要はないので、安心してください。

(僕は最初知らなかったので、ちょっと焦りました)

運用損が出るリスクがある

iDeCoには元本保証の商品と、元本が変動する商品があります。

元本保証は定期預金や保険などの商品。

元本変動は主に株式などで運用する商品です。

元本保証なら損は出ませんが、今の低利息では、得られる利息より毎月の手数料の方が大きくなるでしょう。そのため、実質的には少し元本割れしているとも言えなくはないです。

ただし、掛金が全額控除される分もあるので、結果的には定期預金でもメリットはあります。

全くメリットがなくなるのは、税金を支払っていない専業主婦などが、低利息の元本保証商品で運用する場合です。

その場合は、iDeCoではなくNISAで運用する方がいいと思います。

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一方、元本保証ではない株式などの商品。

こちらは手数料を差し引いても十分なリターンを得る可能性がある反面、元本を下回る可能性も否定はできません。

しかし、長期的に運用すればするほど、株式は元本を割る可能性は下がります。

20~30年の長期で世界に分散投資をしていれば、おそらくプラスのリターンになる可能性は高いでしょう。もしくは米国株への長期投資ですね。

世界や米国株への分散・長期投資がどれだけ効果的なのかはこちらの記事をご覧ください。

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ただ、いざ年金を受け取るときに世界的な不況が訪れないとも限りません。

そのリスクを回避するためにも、年齢が上がれば運用する商品を見直し、株式の比率を下げて値動きのマイルドな投資先への配分を増やしていくのがいいでしょう。

若いうちは大きなリターンを狙って積極的に株式の比率を高く、受け取りが近くなれば資産を減らさないことを考えリスクを抑える。

僕も現在は株式100%で運用していますが、50代にもなれば状況に応じて配分を考えていくつもりです。

受取時の税制度が複雑怪奇

先ほども言いましたが、iDeCoは受け取る際の税制度が非常に複雑です。

僕もはっきり言って3%くらいしか理解できていません。

今では5%くらい、いや8%くらい理解したつもりですが、また時間が経ったので2%くらいに戻った気がします。

多分、調べても嫌気がさす可能性が高いので、そのときが来たら専門家に相談しましょう。

一応、自分でも調べてみるのがいいですけどね。

まとめ

国がiDeCoを推奨している理由とは、

公的な年金制度じゃ支えきれんから、自分たちでどうにかしてね

ということに他なりません。

もともと公的年金だけで生活できるわけではないですが、自分で対策をする重要性は一層高まってきたと言えます。

国が悪いと文句を言ってるだけでは飯は食えません。

給料は増えず、寿命は延びる…そんな日本で今後、貯蓄だけで備えるのは難しいでしょう。

若いうちからお金の心配ばかりするのも良くないですが、将来苦労するのもツライです。

適度なバランスを保って人生楽しみたいですね。

おしまい。

まずはSBI証券のiDeCoの資料請求をしてみましょう。

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