競馬はただのギャンブルと一般的には思われがちですが、実際にサラブレッドが走る姿を見ると、スポーツとしての楽しさも感じられます。競馬を知らない友人と一緒に競馬場へ行っても、ほとんどは楽しんでもらえますからね。
馬券は100円から買えるので、無謀な買い方をしなければちょっとした遊びにもなります。もしかしたら馬券が当たって儲かるかもしれませんし。
とはいえ、競馬は9割以上の人が負けていると言われるくらい、勝つのが難しいのです。初心者でも馬券を買うからには勝ちたいと思うはず。でも馬券の種類は多いし、どうやって買えばいいか迷ってしまうでしょう。
最初に言っておくと、馬券の買い方に正解はありません。好きなように買えばいいのですが、そのなかでも効率のいい・わるい買い方というのはあります。
ここでは競馬初心者におすすめの馬券の買い方を解説していくので、これを参考にして競馬を楽しんでいただければ、イチ競馬ファンとしては幸いです。
馬券の基礎知識
買い方の前に、知っておきたい基礎的なことをお話します。現在、JRAで購入できる馬券は以下の9種類です。
券種 | 特徴 | 的中率 | 配当 |
単勝 | 1着の馬を当てる | 中の上 | 中 |
複勝 | 3着以内の馬を当てる | 高 | 低 |
馬連 | 1-2着の馬番を当てる | 中の下 | 高 |
枠連 | 1-2着の枠番を当てる | 中の中 | 中 |
ワイド | 1~3着以内の2頭を当てる | 中の上 | 中 |
馬単 | 1-2着の馬を順番通りに当てる | 低 | 高 |
三連複 | 1~3着の馬を当てる | 低 | 高 |
三連単 | 1~3着の馬を順番通りに当てる | 激低 | 激高 |
WIN5 | 指定された5Rの1着をすべて当てる | 鬼激低 | 鬼激高 |
的中率や配当は買い方やレースによって変わってくるので、参考程度にしてください。
基本的に、的中率が高い馬券は配当が少なく、的中率が低い馬券ほど高配当になりやすいです。三連単やWIN5は万馬券が当たり前のように出ますね。
また、競馬には控除率(手数料のようなもの)があり、馬券種によって多少違いがあります。単勝・複勝の控除率は20%で、それ以外は25%~30%ほど。つまり、単勝・複勝はもっとも手数料が少ない馬券ということです。
控除率はオッズに影響を与え、例えば控除率20%なら単勝10倍でも、控除率25%なら9倍にしかならないというイメージです。
だからといって単勝・複勝が勝ちやすいのかとなると、そういうわけでもないのが競馬の難しいところ。
そもそも競馬で勝つことが難しいですが、単勝・複勝は当たりやすいぶん大きく負ける可能性は少ないとは言えるでしょう。
初心者におすすめの馬券の買い方
では、ここからは初心者におすすめの馬券の買い方を紹介します。
先ほども言ったように、馬券の的中率とオッズは反比例します。つまり、穴狙いばかりしていると、まったく当たらない可能性が高くなるということです。
初心者に限ったことではないですが、ハズレが続くと楽しくないため、ある程度の的中率は欲しいところですね。
それを踏まえて、競馬初心者におすすめの馬券の買い方は単勝もしくはワイドです。
単勝(2~3点買い)
まず最初におすすめするのは単勝を2~3点買うことです。1点でもいいですが、1点だとそう簡単に当たらない。
単勝は1着の馬を当てる馬券なので、1レースで2頭・3頭の単勝を買うと必ずはずれる馬券が出てきます。はずれる馬券を買うと利益が減るのはわかりますよね。
しかし、複数買いで多少の利益を犠牲にしても的中率を高めることで、馬券が当たる楽しみを得ることができます。やはり最初は当てて楽しむというのも、大切ですよ。
とはいえ、当てたいがために買いすぎるのはよくありません。5頭も6頭も単勝を買っていると、当たったところでマイナス収支になる可能性もありますからね。
的中してもマイナスになることを、トリガミと言います。
トリガミの是非
トリガミについては、競馬を長くやっている人でも賛否両論あります。
肯定派の意見としては、トリガミでも賭け金の一部は戻ってくるため、次のレースの資金にできるから問題ないということ。
僕はトリガミになるような馬券は買う意味がないと思っている側で、理由はトリガミの買い目を入れると馬券の購入額が増えるからです。
だからといってバンバン当たるようになるかと言えばそんなことはありません。むしろ馬券ははずれるのが当たり前なので、トリガミで少し返ってきたところで、今までトリガミになる買い目を買ってきたぶんも回収できない可能性が高い。
それなら最初から買わずに、お金を残しておいたほうが効率がいいんじゃないの?と僕は思うんですね。まぁどちらの考え方が正解かは答えのない問題なので、トリガミについては自分で決めるしかないです。
狙うべきオッズ
単勝の2~3点買いでは、単勝オッズ10倍~20倍前後を狙うのがいいと思います。
単勝オッズ | 出走数 | 勝率 | 回収率 |
1.0~1.4 | 165 | 62.4% | 80% |
1.5~1.9 | 659 | 44.3% | 75% |
2.0~2.9 | 1743 | 31.9% | 78% |
3.0~3.9 | 2084 | 23.0% | 78% |
4.0~4.9 | 2019 | 18.0% | 79% |
5.0~6.9 | 3482 | 14.4% | 84% |
7.0~9.9 | 3724 | 10.4% | 85% |
10.0~14.9 | 4229 | 6.6% | 79% |
15.0~19.9 | 3216 | 4.5% | 77% |
20.0~29.9 | 4430 | 3.3% | 81% |
30.0~49.9 | 5227 | 2.0% | 75% |
これは2018年のオッズ別成績です。
回収率とは投資額に対していくら返ってきたかを表す数字で、単勝1.0~1.4倍の馬なら1,000円買ったときに800円返ってきたということですね。
このオッズ別の成績は、年間では毎年ほぼ同じくらいになります。その傾向としては、人気サイドと大穴サイドの回収率は低めに、中穴サイドは高めになりやすいです。
オッズはその馬を買う人が多くなれば下がり、買われなければ上がります。人気馬は競馬新聞や関係者のコメントなどから、とくに初心者が買いやすい傾向にあり、どんどんオッズが下がっていきます。
そうすると、その馬の本来の能力以上に評価されていることになり、好走率と回収率のバランスが合わなくなってくるんですね。要は、割に合わないということです。
大穴サイドも一発逆転を狙う人がいるおかげで、本来の能力以上に評価されやすくなります。そのぶんだけ、中穴サイドは妙味あるオッズの馬が出る可能性が上がります。
もちろん、すべてのレースに当てはまるわけではないですが、全体としてはそういった傾向になりやすいということですね。
ただし、それだけで勝てるほど競馬は甘くない!ということは覚えておきましょう。
ワイド
続いておすすめなのが、ワイド馬券です。
ワイドは1~3着のうち、2頭を当てる馬券。複勝を2頭当てるのと同じことですが、ワイドのほうがオッズが高くなりやすいです。
ワイドを買うときに知っておきたい競馬の事実をひとつ。年間では、1~3番人気以内のいずれかの馬が3着以内に好走する確率は約90%あります。つまり、3番人気以内の馬をはずしたワイドを買う時点で、90%はずれるということです。
この法則を逆手に取り、買いたい馬が4番人気以下だった場合、相手に1~3番人気の3頭を買っておけば、買いたい馬が好走すれば高確率でワイドが的中します。
3番人気以内の馬が2頭好走する確率でも約50%あるので、運がよければワイドが2点的中することだってありえますね。
人気馬が相手でもワイドなら配当が10倍くらいは現実的ですし、W的中すれば大きな利益が得られる可能性もあります。
ただ、本命馬が好走したときにかぎって3番人気以内の馬が壊滅したときは、とても、とても悲しい気持ちになるのは間違いないでしょう(´;ω;`)ウッ…
ワイドボックス
単勝・複勝以外の馬券では、ボックスという買い方ができます。ボックスとは、複数の馬を選び、選んだ馬同士で好走すれば的中する馬券。
例えば、1~5番までの馬をワイドでボックス買いしたとしましょう。そのときの買い目は以下の10点になります。
- 1-2・1-3・1-4・1-5
- 2-3・2-4・2-5
- 3-4・3-5
- 4-5
ボックスとかたいそうな言い方をしますが、単純に選んだ馬の組み合わせをすべて買っているにすぎません。
マークシートなどに買い目をひとつひとつ記入するのは面倒なので、それを省くためにこういった買い方ができるようになっているだけです。
ワイドボックスのメリットは、選んだ馬のうち2頭が好走すれば的中すること、もし3頭好走すればワイドがトリプル的中することです。
デメリットは選ぶ馬が増えるほど買い目が多くなることで、結果によっては当たったところで儲からない、もしくはトリガミになる可能性があるということです。
5頭ボックスなら10点、6頭ボックスなら15点、7頭ボックスなら21点にまで買い目が膨れ上がります。
まぁ利益度外視で彼女にいいところを見せたい!という場合は、多めに選んでビシっと当てるのもアリかもしれませんね。(棒読み)
初心者が買わないほうがいい馬券
単勝の2~3点買いやワイド馬券では大儲けは期待できませんが、的中率と回収率のバランスがいい買い方になります。逆に、大儲けの期待ができるけど的中率とのバランスが悪い馬券は、初心者にはおすすめできません。
的中率が悪いということは、ハズレ続ける可能性があるからです。馬券がハズレ続けても競馬を見るだけで楽しいと思えればいいですが、そんなドM気質の方はそういないでしょう。
ですから、三連複や三連単、ましてはWIN5なんかは初心者が手を出すべき馬券ではないと思いますね。
それでもわしは一攫千金を狙うんや!という方は、三連単やWIN5に挑戦しましょう。ただし、それで塵芥となり星空へ還っても、自己責任ですよ。
馬券ごとの特徴

単勝
- 1着に来る馬を当てる馬券
- 1~3番人気をすべて買えば約60%の確率で当たる
- 1点の当たる確率は最大1/18(約5.5%)
複勝
- 1~3着に来る馬を当てる馬券
- 当たりやすいぶん、配当も低い
- 1~3番人気の複勝を全て買えば約90%の確率で当たる
- 1点の当たる確率は最大3/18(約16.6%)
馬連
- 1-2着の馬番を当てる馬券
- 2着以内に1~3番人気が1頭来る確率は約85%
- 1~3番人気の馬連ボックスの的中率は約30%
- 1点の当たる確率は最大1/153(約0.7%)
枠連
- 1-2着の枠番を当てる馬券
- ゾロ目の場合、馬連より配当が高いときがある
- 1~3番人気の枠連ボックスの的中率は約37%
- 1点の当たる確率は最大1/36(約2.7%)
ワイド
- 1~3着のうち2頭を当てる馬券
- 馬連より当たりやすく配当は低い
- 1~3番人気のワイドボックスの的中率は約54%
- 1点の当たる確率は最大3/153(約2%)
馬単
- 1~2着を着順通りに当てる馬券
- 人気薄が1着になれば配当が跳ね上がる
- 1~3番人気の馬単ボックスの的中率は約30%
- 1点の当たる確率は最大1/306(約0.3%)
的中率と配当の関係
上記の馬券で的中率が高い順に複勝・単勝・ワイド・枠連・馬連・馬単となりますが、高配当に期待できるのは真逆になります。
また、競馬ではひとつの枠に2頭入ることが多いですが、出走頭数が少ないときは1頭しか入らないことがあります。
そんなとき、馬連と枠連で同じ馬を買っているのに枠連のほうが配当が高くなるといったことも起こります。例えば、馬連1-2のオッズが10倍で、枠連1-2のオッズは15倍といった感じ。
最近では枠連より馬連で買う人が多く、馬券はその組み合わせを買う人が多くなればオッズが低くなる=馬連のほうがオッズが低くなりやすいということです。もちろん、1枠に2頭入っている場合は、当たりやすくなるので配当は低いですよ。
馬連を買うときは、いちど枠連のオッズも確認してみるといいですね。買うときは枠連ほうがオッズが高くて、終わってみれば馬連のほうが高いやん!なんてこともありえますが…
性格によるおすすめの馬券の買い方
競馬の初心者でもその性格は千差万別。
続いてはあなたの性格によってどのような馬券の買い方をするのがいいか、3パターンの性格に分類して最適な買い方を考えてみます。
なお、三連系は初心者におすすめできないので、ここでは省きます。
安定タイプ
安定タイプをおすすめするのは、以下の性格。
- あまり損したくない
- 高配当を狙うより、当てる喜びを味わいたい
このような場合、穴狙いはせずに的中率の高い馬券で楽しむことがおすすめです。ただ的中率の高い馬券で勝つことは難しく、当たるけどジワジワ負けていくのが競馬です。
なるべく負けたくない、それでいてほどほどに当てたいという人には、次の買い方を推奨します。
- 単勝2~3点買い
- 複勝1~2点買い
- ワイド3~4頭ボックス
- 枠連3~4頭ボックス
最初におすすめの買い方として紹介した、複数点買いが基本ですね。
いずれも買いすぎると当たったところでトリガミとなる可能性があるので、平均配当ごとに買い目は考える必要があります。
複勝の場合は2点買うと両方的中する可能性もあるので、最低2倍くらいの馬を選んでおけば片方だけの的中でもマイナスになることを避けられますね。
ワイドや枠連のボックスは、人気馬2頭+中人気2頭のように組み合わせると面白いんじゃないでしょうか。少し欲張って人気馬を1頭穴馬に変えてもいいでしょう。
バランスタイプ
バランスタイプをおすすめするのは、以下の性格。
- そこそこ当てたいし、そこそこ儲けたい
- 1日で1回も当たらなくても平気
- ちょっぴり万馬券に憧れている
このような場合、高配当にも期待できる馬券を狙いにいく必要があるので、次の買い方を推奨します。
- 単勝1~2点買い
- 馬連3~4頭ボックス
- 馬連1頭軸流し
- ワイド1頭軸流し
- 馬単
単勝の場合、1点買いが理想ではありますが、2頭買う場合はオッズが10倍以上の馬を狙いましょう。過去のデータからも、10~20倍あたりのオッズがもっとも勝ちやすいことがわかっています。(勝てるとは言ってない)
馬連のボックスは、組み合わせ次第で万馬券も狙えます。人気馬を1頭、中人気を2頭、穴馬を1頭選び、中人気同士もしくは穴馬が絡むことに期待したい。
1頭軸流しとは、本命馬を決めて相手馬を数頭選ぶ買い方です。本命馬と相手馬のいずれかの同時好走が必要になりますが、相手を多く選んでも買い目が絞れるのがメリット。
とはいえ、買いすぎてもよくないので、相手は5~7頭くらいに絞りたいですね。人気薄を本命にする場合は、下手に絞らず手広く買ってもいいです。
ただし、人気馬から人気馬への馬連は非効率なので、できれば買い目からはずすことをおすすめします。馬連で10倍以下なんて買っても儲かりません。
馬単は1着に人気薄がきたときに威力を発揮します。
断然人気馬を1着にした馬単は、馬連と配当がほとんど変わらないので愚策です。断然人気は2着にして買うほうが、馬単ではいい結果に繋がりやすいでしょう。
一発逆転タイプ
一発逆転タイプをおすすめするのは、以下の性格。
- いくらハズれても気にしない
- とにかく万馬券を当てたい
- 資金に余裕がある
この場合、的中率は無視して土日で1レースでも当たればプラスになるような馬券を狙えばいいでしょう。具体的には次の買い方を推奨します。
- 馬連人気薄1頭軸流し
- 馬単人気薄1着固定流し
基本的に本命にする馬は人気薄(オッズ10倍以上)を選び、馬連なら50倍以上、馬単なら万馬券を積極的に狙います。
買い目を絞るなら20~30倍を狙っても良いでしょうし、的中したときに購入資金の何倍になるかを意識しておきましょう。
例えば、3点で30倍が当たれば実質10倍のリターンです。これは50倍を5点で当てるのと同じリターンですから、配当が低くても買い目が少なければ問題ありません。
とはいえ、低配当で一発を狙うのは難しいですから、やはりある程度の配当がつく狙い方をしたいですね。
本命馬が超大穴なば馬連や馬単の相手は手広く流しましょう。この場合、超大穴の本命馬が好走したときは確実に馬券を仕留めることが必要です。
1つの競馬場では1日12R行われます。
同じ金額、同じ点数を買い続けるならば、的中したときに13倍以上になればプラスになるので、それを考慮した買い方を考えるようにしましょう。
競馬初心者は単勝かワイドで当てる楽しさを味わおう!
馬券の的中率と回収率は反比例する関係にあります。

当てたいからと人気馬ばかり買っていては馬券で勝つことは難しくなりますし、勝ちたいからと穴馬ばかり買っていては、馬券が当たりません。
初心者が競馬を楽しむなら、的中率と回収率のバランスが重要になるので、そのようなことを意識した買い方から実践していくことがおすすめです。
おそらく、それで馬券収支がプラスになる可能性は低いでしょう。
ただ、単勝やワイドだから勝てないというわけではなく、どのような券種を買ってもほとんどの人は勝てないのです。
競馬で勝つためには、競馬の仕組みから理解し、控除率に負けないための買い方を実践していく必要があります。
そういったことを勉強していくなかで、自分に合った馬券種を選んでいけばいいと思います。それが単勝か馬連か三連単なのかは人それぞれ。
最初からうまくいくことはほぼありえません。何度も失敗しながら競馬というゲームを攻略していき、その壁の高さに挑み続けましょう。
限界だなんて認めちゃいかんぜよ!

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