競馬では馬番が偶数の馬が有利という事実をご存知でしょうか?
競馬では馬番が奇数の馬が先にゲートに入り、偶数の馬は後から入るようになっています。大外の馬は奇数でも最後に入ります。
ゲートに入る順番が違うだけで成績に影響するとか、そんなんオカルトやろ!と思う人も多いでしょう。
しかし、過去のデータをみれば明らかに偶数番のほうが成績がよくなるのです。
馬番による回収率の違い
データは2017年~2019年のものです。
馬番 | 出走数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
偶数 | 68418 | 7.2% | 14.5% | 21.8% | 76% | 75% |
奇数 | 71444 | 7.0% | 14.0% | 21.0% | 68% | 70% |
大外 | 9923 | 7.4% | 14.9% | 22.4% | 71% | 71% |
好走率・回収率ともに偶数番のほうが良くなっていますね。また、奇数よりも大外枠の成績が良いこともわかります。
そうなんです!
たしかに勝率では偶数と奇数でわずか0.2%の差しかなく、単勝回収率の差は8%しかありません。勝率に至っては大外枠のほうが高いですしね。
しかし、競馬で勝つためには好走率よりも回収率を重視する必要があり、その回収率が8%違うということは、実は大きな違いなんです。
回収率は割合ですから、1万円であれば800円の違いでも、100万円なら8万円もの違いが出てきます。つまり、賭ける金額が増えるほど、収支への影響が大きくなるのです。
これは、少額でしか買わない人にとっても無関係ではありません。1レースでは少額でも、競馬を長く続ければ投資額は次第に大きくなっていきます。
あなたは年間でどれくらい馬券を購入しているでしょうか?即PATで購入しているなら、Club JRA-Netで調べることができるので、確認してみると良いでしょう。
1年だと数十万、何年もやっていれば数百万という金額を賭けている可能性が高いですよね。そのため、数%の違いを侮ってはいけないのです。
なぜ偶数番が有利なのか?
データからも偶数番が有利なことはわかりましたが、なぜ偶数番が有利になるのでしょうか?
確実にこうだ!と言える理由は分かりませんが、一説によるとサラブレッドは常に胃潰瘍と言われるほどストレスに敏感な生き物だそうです。そのため、狭いゲート内で待たされるのは、馬にとっては大きなストレスになります。
ストレスを抱えた馬はイライラし、イライラすれば出遅れたり、競馬で力を発揮しづらくなる可能性が高くなりますよね。
実際どれくらいストレスになるのかは、馬に聞いてみないとわかりませんが、聞いたところで馬の耳に念仏です。
ただ、これだけのサンプルで差が付いていて、ある程度の期間を取れば間違いなく偶数番の成績が上回ることから、何らかの影響が出ているのは間違いないでしょう。
ちなみに、なぜ奇数番が先入れになったかの明確な理由はないそうです。
どれだけ収支に影響するか
では、回収率8%の違いが、どれほど収支に影響するかを計算してみます。
- データと同期間の3年間馬券を購入する
- それぞれ単勝を100円ずつ購入
- 収支を同じ条件にするため、出走回数は偶数番で統一
馬番 | 出走回数 | 回収率 | 購入額 | 払戻額 | 収支 |
偶数 | 68418 | 76% | ¥6,841,800 | ¥5,199,768 | ¥-1,642,032 |
奇数 | 68418 | 68% | ¥6,841,800 | ¥4,652,424 | ¥-2,189,376 |
どちらも回収率は100%以下なので、収支はマイナスになるのが何とも寂しいですが、100円しか買わなかったとしても、3年でなんと約55万円もの差となっています。
8%という一見たいしたことのない数字が、長期的にはこれだけ大きな差となるのです。
逆に言うと、回収率がプラスなら買えば買うほど利益が増えていくということですね。
単純に偶数番だけ買っても儲かりませんが、儲けるための重要なファクターになることは間違いないでしょう。
もちろん、目の前のレースで奇数番が上位を占めることもあります。数レース続けて奇数番が勝つこともあるでしょう。
しかし、長期的に考えれば偶数番の方が有利になるので、目の前の結果だけに捉われるのは危険です。
強い馬には関係無い?
能力的に上位の馬なら、多少のストレスがあっても好走できる可能性は高いかもしれません。
レースでの人気は強さを正確に表すものではないですが、全体としてはかなりの精度で力関係を示してくれるものなので、人気馬と人気薄について調べてみます。
まずは、全体の数値がこちら。
人気 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
5番人気以内 | 79% | 80% |
6番人気以下 | 68% | 68% |
6番人気以下の成績が標準より大幅に低いですが、ここには全く勝負にならない超人気薄も含まれてしまうため、このような結果になっています。
そして、人気馬と人気薄をそれぞれ偶数・奇数で分けた結果がこちら。
人気 | 単勝回収率(偶数・奇数) | 複勝回収率(偶数・奇数) |
5番人気以内 | 81%・77% | 82%・78% |
6番人気以下 | 73%・63% | 70%・66% |
5番人気以内の単勝回収率は全体では79%でしたが、偶数奇数で±2%です。一方、6番人気以下は単勝回収率68%から偶数奇数で±5%と幅が大きくなっていますね。
人気薄の場合、偶数番なら勝ち切るところまで期待できそうなので、人気薄の偶数番は単勝などを買うと効果的かもしれません。
もちろん、今後も同じようになる保障はありませんので、馬券購入のさいは自己責任でお願いします。
まとめ
競馬では奇数番より偶数番に入ったほうが有利で間違いありません。
目の前のレース、少ない試行では結果がわかりにくいですが、競馬を長く続けていくうえで決して無視はできないポイントになるでしょう。
もし本命候補で2頭迷っていたら、偶数番に入った馬を優先するといい結果に繋がるかもしれません。(繋がるとは言ってない)
2頭とも偶数番だった場合は…迷ったときは人気薄!
これが競馬の鉄則です。

コメント
始めまして。
前から気にはなっていたのですが、こんなに分析されている方がいらっしゃったんですね。参考にさせていただきます。ありがとうございます。
やはり、奇数枠はゲートで待たされることが原因といえるのでしょうか。
となると、この影響は距離が短いほど、スタートがうまくいかなかったことを
取り返せずにレースが終わってしまった、ということも多くなるのではないでしょうか。
もし可能なら距離別の奇数偶数比較をお願いします。
初めまして、コメントありがとうございます。
私たちが思っている以上に、馬はストレスに敏感なのではないでしょうか。
狭いゲート内でジッとしていることは、馬にとって非常にストレスとなり、その時間が長くなる奇数番ほど影響が出やすいのだと思います。
距離別は盲点でした。
確かに短距離はスタートの影響がより大きいと思われますので、可能性はありそうですね。
一度調べてみますので、後日記事にしてみたいと思います。
また気になることがあれば遠慮なくご質問ください。