扶養控除と配偶者控除?友人に質問されたので改めて調べてみました。

税金の仕組み、複雑で考えるのが面倒ですねぇ。

先日、友人から「扶養控除のこと分かる?」と連絡が来て、なんとなくは分かると返答したところいくつか質問がありました。

以前調べて多少は理解したつもりでしたが、普段から考えていないとすぐに忘れるもんですね。あれ、どうやたっけなということもあったので、改めて調べたことをまとめていきます。

インプットとアウトプットを繰り返すことで知識は強固になっていくので、みなさんにも何か調べたことを周りに伝えることをおススメします。

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扶養控除と配偶者(特別)控除の違い

扶養控除と配偶者(特別)控除は、税制上は別物らしいですが、簡単に考えると同じようなものと考えていいと思います。

どちらも主として働いて収入を得ている人に適用される、納める税金を安くするための控除です。つまり、一般的には旦那側に適用される制度ということです。

この後の説明も、とりあえず主が旦那・配偶者が嫁さんという話で進めていきます。

その名前から、扶養される側が受けられる控除と勘違いする人もいるんじゃないでしょうか。僕もたまにこんがらがります。

扶養控除も配偶者(特別)控除も、どちらも条件を満たせば所得控除が受けられますが、配偶者の場合は配偶者(特別)控除という項目が適用されるだけです。

こういうと語弊がありそうですが、簡単に考えるとそういうことです。

では、なぜわざわざ配偶者とそれ以外の親族などで別物にしているのか。

それは、配偶者の収入によって扶養控除とは控除される条件が若干違うからです。

扶養控除の条件

国税庁のHPから引用します。

(1) 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます。)又は都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること。

(2) 納税者と生計を一にしていること。

(3) 年間の合計所得金額が38万円以下であること。
 (給与のみの場合は給与収入が103万円以下)

(4) 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

分かりますか?

簡単に訳すとこうなります。

(1)配偶者以外の身内とか偉いサンから託された児童や老人

(2)一緒に暮らしている

(3)給与なら年間103万円以下、給与以外の所得なら38万円以下

(4)サラリーマン家族には関係ないこと

(4)は正直、詳しいことは分かりません。

(3)については、バイトなりパートで会社から「給与」を貰う人は、給与所得控除が適用され、その金額が65万円になります。

そのため、103万円稼いでも65万円が控除され、38万円しか収入がないですよと考えられるので給与所得者は103万円までとなるのです。

つまり、給与以外の所得なら65万円の控除がないので、38万円以上稼いでしまうと対象外となるので気を付けましょう。

(1)の親族ですが、その年の12月31日時点で16歳以上が対象、19~23歳は特定扶養親族・70歳以上は老人扶養親族となり、控除額が少し大きくなります。

特定扶養親族は63万円、老人扶養親族は48~58万円、それ以外は38万円です。

大学生はお金が掛かるので、税金を安くしましょうという措置でしょう。(大学行ってなくても対象になると思いますが)

これらの条件を満たした人がいる場合、納税者、ここでは旦那と考えておきますが、旦那の年末調整で扶養控除分が所得から控除され、納める税金が安くなります。

もちろん、二人いれば二人分の控除が受けられます。

配偶者控除の条件

国税庁のHPから引用します。

(1) 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません。)。

(2) 納税者と生計を一にしていること。

(3) 年間の合計所得金額が38万円以下であること。
 (給与のみの場合は給与収入が103万円以下)

(4) 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

はい、(1)以外の条件は同じです。

控除額には一般的な38万円・もしくは配偶者が70歳以上なら老人控除対象配偶者として48万円のいずれかになる違いがあります。

配偶者特別控除

ややこしくしているのは、この配偶者特別控除の存在でしょう。

これは、配偶者控除が給与所得で年間103万円以下なら適用されるため、103万円を超えた場合に税負担が一気に上がることを避けるための措置です。

旦那の所得税率が10%の場合、配偶者の収入が103万円を超えたら所得税で年間3万8,000円負担が増えることになります。(多分)

もちろん、他にも住民税も負担増となるので、配偶者が働けば損をするという仕組みになってしまいます。

それを避けるために103万円を超えた分は段階的に控除額を少なくし、負担を軽減するために配偶者特別控除を設けています。

そして、2018年から配偶者特別控除に変更がありました。

以前の配偶者特別控除では、103万円を超えると配偶者控除の控除額である38万円以下の控除しか受けられませんでした。

具体的な金額は知りませんが、例えば105万円稼いだら配偶者特別控除で控除額は36万円になる…というイメージですね。

これを141万円まで段階的に控除額を減らしていき、141万円を超えると配偶者特別控除が適用されなくなっていました。

2018年からの変更で、配偶者特別控除が受けられる上限が201万円となりました。

また、配偶者控除と同額の38万円の控除が受けられる金額も150万円になっています。

つまり、収入が103万円以下なら配偶者控除で38万円・103~150万円なら配偶者特別控除で38万円の控除が受けられます。

150万円の壁と言われていますが、配偶者控除の条件は103万円以下という点が変更されたわけではありません。

ややこしいですね。

150万円以上になると段階的に配偶者特別控除の控除額も下がっていき、201万円を超えると適用外となるので気を付けましょう。

なお、これらは給与による収入金額で示しているので、給与以外ならここから65万円を引いた金額に収めないといけないことは覚えておきましょう。

給与以外なら150-65=85万円が、配偶者控除と同じ38万円の控除が受けられる上限です。

また、配偶者控除・配偶者特別控除ともに旦那の年収が高ければ控除額が少なくなるようになっています。

まぁ年収1,000万円以上、手取りで800~900万円くらいの話なので、多くの人には関係ないでしょうから該当する人以外は気にしなくても大丈夫です。

注意したいのは、会社から家族手当などが支給されている場合

その支給条件が扶養の範囲内、つまり収入が103万円以下(給与以外なら38万円以下)だったら、150万円稼いだら支給の対象外となる可能性があります。

配偶者特別控除で配偶者控除と同額の38万が控除されても、手当がなくなる可能性があるということですね。

そのあたりは会社に聞いてみないと分かりませんので、各自で確認しておいて下さい。

○○万円の壁

これらの話がややこしいのは、一般的に○○万円の壁という言葉が使われていることにも関係していると思われます。

○○万円の壁には、控除を受ける旦那側に影響する壁、稼いでいる嫁さん側に影響する壁があるので複雑になるんですね。

103万円の壁

この金額は扶養控除・配偶者控除にも関係がありますが、働く本人にとっては所得税を支払うか支払わないかの壁になります。

先ほども言いましたが、給与所得者には一律で65万円の給与所得控除が適用されます。

そこに基礎控除として38万円も適用されるので、併せて103万円までなら控除によって所得が0の状態とされます。

所得がないので税金を納める必要がない…ということです。

ちなみに、住民税の場合は基礎控除が33万円なので、給与所得控除と合わせて98万円までしか控除されません。

つまり、103万円稼いだら旦那に扶養控除・配偶者控除は適用・本人の所得税は支払わなくて済みますが、住民税はわずかですが発生するということになります。

106万円の壁

2016年10月から新たに設けられた基準で、これは働く本人にとって影響がある壁となります。ここでは以下の条件に当てはまる場合のみ関係します。

  • 勤務時間が週20時間以上
  • 1カ月の賃金が88,000円(通勤費込、見込年収106万円)以上
  • 勤務期間が1年以上見込み
  • 勤務先が従業員501人以上の企業
  • 学生以外

これらに当てはまらない場合は気にしなくてもいいです。

ここに当てはまる場合、何が変わってくるかというと社会保険に加入する必要が出てくるということです。

社会保険とは、厚生年金と健康保険です。

これらは保険料を会社と折半するので、国民年金や国民健康保険と比べると負担する金額は少なく済むはずです。

少なく済むとはいえ、自分で支払う必要があるので手取りが減ってしまうことを気にするかも知れませんが、それは将来厚生年金として自分に返ってくるので損はしません。

会社員の嫁さんは第3号として年金保険料を納めなくても年金が支給されることになりますが、あくまでも国民年金のみなので金額も知れています。

先のことを考えると、厚生年金には加入しておく方がメリットが大きいとも思います。

また、106万円と言いますが厳密には月収88,000円を超えた場合に、加入する必要が出てくるそうです。

例えば、6月から働き始めて月10万円を稼いでも12月までなら60万円ですが、年ベースで考えると120万円です。社会保険の場合はそのように考えるそうなので、注意しておきましょう。

月ベースとはいえ、少し超えただけでいきなり加入しなければならないわけではないそうで、基本的には過去1年でいくら稼いでいるかが重要になるようです。

まぁこの場合は会社側から話があるはずなので、うっかりということはないと思います。

月に88,000円以内(年間106万円以内)なら、旦那側は配偶者特別控除が適用、本人は所得税・住民税が発生しますが、社会保険には加入しません。

130万円の壁

106万円の壁に該当しない人のうち、以下のどちらかに当てはまる人が対象になります。

  • 1週間あたりのの勤務時間が正社員の4分の3以上
  • 1か月あたりの勤務日数が正社員の4分の3以上

どちらかに該当する場合、106万円の壁と同様に社会保険料の負担が発生します。こちらも年ベースではなく月ベースなので、厳密には月108,334円以上ということになります。

106万円と130万円の壁はほとんど同じ意味で、会社によって対象となる人が変わってくるということですね。

月に108,334円以内(年間130万円以内)なら、旦那側は配偶者特別控除が適用、本人は所得税・住民税が発生しますが、社会保険には加入しません。

150万円の壁

2018年からの改定で新たにできた壁(?)です。

これは働いている本人ではなく、控除を受けられる旦那側に影響する金額です。

これまでは嫁さん側の年収が103万円~141万円になると、配偶者特別控除となり配偶者控除の38万円よりも少ない金額しか控除されませんでした。

それが改定によって、年収150万円までなら配偶者特別控除でも配偶者控除と同額の38万円が控除されますよということです。

これで今までより稼いでも、旦那側の税負担は変わらなくなったということですね。

ただし、嫁さん側は所得税・住民税・社会保険料の負担が発生します。また、会社から家族手当などが支給されている場合もそれが無くなる可能性もあります。

何度も言っていますが、ここの金額は給与所得者の話なので、それ以外の収入であれば給与所得控除の65万円を差し引いた金額内でないといけませんよ。

年間の収入が150万円なら、旦那側は配偶者特別控除で配偶者控除と同額の38万が適用、本人は所得税・住民税が発生し、社会保険への加入も必要になります。

141万円の壁→201万円の壁

これは配偶者特別控除が適用される上限で、控除を受けられる旦那側に影響します。

今までは嫁さん側が141万円以上稼ぐと、配偶者特別控除が適用されなくなり旦那側の所得税・住民税の負担額が上がりました。

この金額が141万円から201万円まで引き上げられたことで、嫁さん側がある程度稼いでも配偶者特別控除が適用されるので、税負担も少し軽くなるということですね。

ただし、先ほども説明した通り、配偶者特別控除は旦那が高収入なほど冷遇されるようになっています。

まとめ

扶養控除・配偶者控除・配偶者特別控除と、似て異なるもので非常に複雑です。

最低限、これらは配偶者や扶養される側に影響があるものではなく、旦那側の税負担に影響があるものだと知っておきましょう。

まぁどちらにせよ家計に影響はしてきますけどね。

103万円は旦那側が扶養控除・配偶者控除を受けられる上限で、働いている側にすると所得税を支払うかどうかの上限になります。(住民税は98万円以上で発生)

106万円と130万円は、会社によって対象者が変わるだけで中身は同じ。どちらも働いている側が社会保険に加入する必要がある上限です。

150万円は配偶者特別控除が配偶者控除と同額の38万円の控除を受けられる上限で、配偶者特別控除は201万円を超えると適用されなくなります。

共働きが当たり前になってきた世の中ですが、目の前の手取り収入だけを見て社会保険に加入しない収入に抑えるのがベストな選択かどうかは一概に言えません。

将来的なことを考えると、社会保険に加入できるメリットは大きいと思うので、個人的には社会保険に加入できるくらい稼ぐのがいいと思いますけどね。

保険料を負担せずに国民年金を受け取れるというのも、自営業者から見れば不公平な話です。

所得税・住民税が発生しても、iDeCoやふるさと納税などを活用すれば節税することも可能ですから、これらの仕組みを上手く利用して今と将来、どちらも明るく過ごせるようにしたいですね。

おしまい。

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