【医療保険の選び方】貯蓄ができるまでの繋ぎ保険として考えよう




保険大国ニッポン。

日本では国民皆保険制度ということで、基本的には誰もが健康保険に加入しています。それだけでは不安に感じるのか、民間の医療保険に加入している人が非常に多いようです。

保険に加入するのが当たり前…のような雰囲気すら漂うなか、自分だけ加入しないと余計不安になるのかもしれません。

しかし、保険の性質から考えると、医療保険は十分な貯蓄がある人にとっては不要なものと言えます。

月額数千円でも、何十年と支払えば大金になります。自分にとって、本当に必要なのかどうかを考えることで、無駄な出費は減らすことができるかもしれませんよ。

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医療保険とは

医療保険とは、基本的に怪我や病気などで「入院」したときに、保険金が受け取れるものです。

通院」だけでは支払われないケースも多く、通院にも対応しようとするとそれだけ保険料は高くなります。

最近では医療の進歩や病院の事情によって入院するケースは減り、通院で治療を行うケースが増えてきているそうです。

つまり、医療保険に加入していたところで、要件を満たせずに保険金が受け取れない可能性も十分あるのです。

入院するにしても、その平均日数は「約32日」と言われています。

もちろん症状によって差はありますが、思っている以上に保険金を受け取る機会というのは少なくなっていると言えます。

医療保険に加入する目的

そもそも、医療保険にはなんのために加入するのでしょうか?入院などによって発生する医療費を賄うため?

間違いとは言えませんが、この考えには少し誤解があります。

そもそも、医療費を支払う経済力があれば、保険金を受け取る必要はありません。

本来、医療保険に加入する目的は、自身の経済力では医療費の支払いが生活の大きな負担になるとき、その医療費を賄うためとなります。

保険料だって、支払い続ければ大きな金額になります。かと言って、入院など支払い要件を満たさなければ、保険金は一切受け取れません。

なら保険料を自分で貯蓄しておけば良いと思いませんか?

現時点で貯蓄が少ない人は、医療費の支払いによって生活が苦しくなる可能性が高くなります。そういった場合、十分な貯蓄ができるまでの繋ぎとして、医療保険を活用すれば良いのです。

医療費は意外とかからない

健康保険には、ひと月にかかる医療費の負担を軽減する「高額療養費制度」があります。

一般的な収入の家庭であれば、どれだけ高額な医療費が発生しても、ひと月の医療費は約9万円の負担で済む制度です。

先に手続きをしておかないと、一旦窓口で本来の医療費を負担する必要がありますが、差額分は後日還付されるようになっています。

ただし、高額療養費制度が適用されるのは「健康保険の範囲内」です。それ以外にかかる費用や、保険適用外の治療を受ける場合は注意が必要です。

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貯蓄が減るのがイヤ!だから医療保険に加入するは大馬鹿者

高額療養費制度のおかげで、生活に支障が出るほど大きな医療費がかかるケースというのは少ないと言えるでしょう。

そのため、医療費は貯蓄があれば十分対応できる可能性は高いです。

しかし、なかには貯蓄が減るのがイヤだから保険に加入するという人もいます。…おかしな考え方ですよね。

受け取れるかどうかも分からない保険金のために毎月お金を支払い、その分貯蓄ができなくなっているのに…

保険会社は統計から利益が出る保険料を算出しているので、保険料以上の保険金を受け取れる人はそう多くありません。

金額の損得で言うなら、得をするのは保険に加入してすぐに保険金を受け取れる人です。

長期間支払いを続け、保険金を受け取っていない人のほとんどは、その後に保険金を受け取ったとしても金額では損をしています。

一方、貯蓄なら医療費にでもなんでも、使い道は自由。貯めたものが無駄になることはありません。

どう考えても、貯蓄のほうが優れているのは明白です。

医療保険は「今お金がない」人にとっては貴重なものですが、ある程度余裕のある人ならば、貯蓄に回す方があらゆる面で効率的だと思いませんか?

最大のリスクは入院の長期化

しっかりと家計管理をしている家庭なら、短期的な医療費の出費は高額療養費制度を利用して、十分に対応できるようになるでしょう。

しかし、入院が長期化したときは話が変わります。

高額療養費制度は、年に4回以上利用したときに、負担額がさらに軽減される仕組みになっています。

長期入院した場合、負担額が9万円程度になるのは3か月間だけで、それ以降の負担額は約5万円程度となるのです。1年間だと、9万円×3か月+5万円×9か月=72万円ということですね。

とはいえ、長期入院となれば総額では大きな負担となってきます。さらに、医療費だけでなく、収入減による生活費への影響も考えなくてはなりません。

つまり、医療費に関する最大のリスクとは、この長期入院ということになります。

保険金が受け取りにくい保険

医療保険で最も合理的な商品は、保険金が「受け取りにくい商品」と言われます。

多くの場合、入院1日目から保険金が受け取れる契約がお得に思われがちですが、そうすると保険金を受け取る人が増え、結果的に保険料も高くなります。

また、短期間の医療費であれば、生活に多大な影響を与える可能性も低いため、1日目から保険金が受け取れる保険など、はっきり言って必要ありません。

これがお得だと契約してしまった人は、まんまと保険会社の策略に踊らされているということになりますね。

では、保険金が受け取りにくい商品とはどのようなものか。

具体的には、短期間の入院では保険金が受け取れず、一定期間以上の入院で保険金が受け取れるという契約です。

このような商品が、医療保険としては最も合理的だと言えますが、現在はそのような商品は販売されていないようですね。

長期入院に備えるものとしては、せいぜい入院日数の制限なく保険金が支払われるような契約しかできないようです。

それだと保険料も少し高いので、メリットとしてはイマイチな感じもしますね。

僕の調査不足なだけかもしれませんので、そのような保険があるならば検討の余地はあるでしょう。

長期入院が必要なケースは極めて稀なので、一番の対策は普段から健康面に気を遣うということでしょうか。

収入減への対策は?

入院によって収入が減ることは、大きなリスクです。

短期的な入院ならあまり気にしなくても大丈夫ですが、長期入院となるとそうもいきません。

会社員は待遇が厚い

しかし、会社員であれば仕事ができない間、「傷病手当金」として、給料の「約2/3」が支給されます。

支給される期間に制限はありますが、そこまで心配する必要はないと言えるでしょう。

自営業者は無収入への対策を

一方、自営業者には傷病手当金がありません。自営業者は入院している間、基本的に無収入となります。

そのため、医療保険や所得補償保険(就業不能保険)などへ加入する必要性は、会社員よりは高くなるかもしれません。

ただ、基本的には保険は支払った保険料以上の保険金を受け取れる可能性は低いので、貯蓄が十分にあるなら加入しないという選択肢もありです。

加入するにしても、最低限の保障に留め、支払う保険金はなるべく抑えておきたいですね。

他の対策としては、収入源を複数作っておくことが挙げられます。

例えば、このブログでも紹介しているのが米国株への投資。株を保有していると企業から「配当金」が貰えるので、働けないときでも収入のひとつとして助けになる可能性はあります。

たとえそれが少ない金額だとしても、複数から収入を得られる仕組みを作っておくことは、万が一に備えることに繋がります。

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医療保険の特約

医療保険には主契約の他に、様々なケースに備える「特約」があります。

ですが、あんなとき・こんなときのために備えられるなんて素敵やん、なんて思わないようにしましょう。

基本的に、保険会社がそんな良心的な商品を販売することはありません。

主な特約としては以下のようなものがあります。

通院特約

通院での治療のみでも、保険金が支払われる特約です。

起こり得る可能性・その際に必要な金額・保険料を請求する手間などを考えると明らかに不要。貯蓄で備えておきましょう。

ただし、ガン保険に加入している場合は考慮しても良いかも知れません。

最近ではガンの治療も通院で行うことが増えてきたそうなので、給付金額や内容を加味した上で判断する必要がありそうです。

三大疾病特約

日本人の死因ベスト3である「がん・脳卒中・急性心疾患」を発症したときに保険金が支払われる特約です。

しかし、これらは支払いの条件が非常に厳しいそうで、保険料の割に合わないと言われがちです。

受け取れるかどうかも分からない保険のために、わざわざ高いお金を追加で支払う必要性はありません。

健康祝金特約

契約から所定の条件をクリアすると、祝い金として受け取れる特約です。

商品によってはボーナス・生存給付金などと呼ぶこともありますが、はっきり言って不要ですね。

単に自分が支払った保険料が返ってくるだけです。そして、保険を使った場合には返ってこない、誰得の制度やねんという話です。

先進医療特約

先進医療による治療は、健康保険が適用されずに全額自己負担になるので、高額療養費制度は適用されません。

しかし、先進医療の多くはそれほど高額な治療費がかからないそうです。

なかには百万円単位が必要になるケースもありますが、そのような治療を自分が受ける確率は相当に低いということを前提に考える必要があります。

その先進医療特約の保険料は、月額100円程度になっています。

そのうち7割程度を手数料が占めると言われているので、言い換えればそれだけ保険金として支払われることが少ない=治療を受ける可能性が低いということになりますね。

それでも治療によっては数百万単位が必要になるケースもあり、月額100円程度で治療の選択肢が大幅に拡がるのであれば、保険としては理に適っているとは思います。

基本的に特約は不要

特約も、しょせんは保険会社が儲かるような仕組みになっているものです。

支払った保険料以上の保険金を受け取れるのは、一部の運の良い人のみで、ほとんどの人は損をします。

それなら自分で貯蓄しておく方が、結果的に得をする可能性が高いと思いませんか?

まぁ保険金を受け取るということは、何か病気やケガをしているわけなので、実は運が良い人とは言えませんけどね。

特約で契約する意味のあるものとしては、先進医療特約くらいかな…というのが個人的な考えです。

まとめ

日本では公的な健康保険によって、医療費の負担はそれほどかからないようになっています。

保険は、支払う保険料のわりに、大きな保障を受けられるからこそ意味があるもので、自分で支払えるような費用に対して備えるべきではありません。

そういった意味でも、医療保険は「貯蓄ができるまでの繋ぎ」として活用するのが、最も合理的だと言えます。

どのような保険が最適なのかは、人によって異なります。

洗いざらい生活状況を教えてくれれば、他人でも的確なアドバイスができるかもしれませんが、多くの場合、他人が的確なアドバイスをするのは難しい。

無駄な保険料を支払わないようにするには、自分で考え、理解することが重要ということですね。

おしまい。

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