僕が競馬に興味を持ったのは、兄が競馬ゲーム「ダービースタリオン」をやっているのをみたことでした。
自分で馬を生産して調教師、レースに出走させて強い馬を作り上げる。大勢でやるゲームより一人でやるゲームを好んでいた僕が、ダービースタリオンにハマるのは必然でしたね。
どのようなきっかけで競馬を知ることになったかは人それぞれですが、ここでは競馬初心者の方へ向けた、競馬の超基礎的なお話をしていこうと思います。
競走馬の名前
まずは競走馬の名前はどのような決まりがあって付けられているのか。JRAの競走馬は、2~9文字の間で名前を付けるようになっています。
- ディープインパクト
- ダイワスカーレット
- ジョンカラノテガミ
- モチ
- キンタマーニ (実在します)
ディープインパクトは競馬を知らなくても名前は聞いたことがあるという人も多いでしょう。JRAの史上最強馬候補として大活躍しました。
また馬主の中には「冠名(かんむりめい・かんめい)」を使用する方もいらっしゃいます。冠名は、名前の一部に同じワードを使うことで、自分の所有馬であることを強調することにもなります。
上にあげた馬のなかでは、ダイワスカーレットのダイワが冠名で、ダイワと名の付く馬は同じオーナーであることがわかります。
また、ジョンカラノテガミのカラノテガミも実は冠名で、他にパリカラノテガミ・オヤジカラノテガミなどユニークな名前を付けるオーナーもいます。
基本的に同じ名前は登録できませんが、過去に使用された馬名でも登録抹消されてから数年経てば、再び登録できるようにもなっているようです。
「ヒシ」という冠名を使用しているオーナーが、同じ馬名を3頭に命名したケースもあります。その馬は「ヒシマサル」という名で、初代ヒシマサルは1950年代に、2代目は1990年代に、3代目は2014年に生まれています。
ダビスタでは2代目ヒシマサルがなかなかの強敵でしたね。ちなみに、ヒシマサルのオーナーも同一人物ではなく、代を重ねております。
競走馬の性別
競走馬の性別は以下のような呼ばれ方をします。
- 雄…牡馬(ぼば)
- 雌…牝馬(ひんば)
- カバちゃん…騸馬(せんば)
騸馬とはいわゆる去勢された馬のことですね。馬によっては気性が激しすぎてレースで力を発揮できないということがあります。
この症状が酷すぎるときに去勢をすることで気性が穏やかになり、本来の能力を発揮できるようになる…という説もありますが、真相はわかりません。
しかし、本来サラブレッドには子孫を繁栄させるという大きな使命があり、競馬にはその優秀な血を選別するという意味合いもあるのです。
そのため、騸馬には一部のレースに出走できないなどの制限が行われ、引退後に種牡馬になることもできないので、他の馬より高齢まで現役を続けるケースが多くなります。
競走馬の年齢
競走馬は産まれた年を0歳として、何月に産まれても年が明ければ1歳・2歳…と表記上の年齢が加算されます。年齢によって以下のような呼ばれ方をすることもあります。
- 若駒(わかごま)…主に2歳~3歳
- 古馬(こば・ふるうま)…4歳以上
競走馬としてピークを迎えるのは、4~5歳頃が一般的です。
成長度合いによって早い時期から活躍する馬を早熟、逆に遅い時期になって力を発揮する馬を晩成と呼びます。
国によって早い時期から走らせることを目的にしたり、ゆったりと成長させる方針だったり様々。アメリカでは前者、ヨーロッパでは後者が多いですね。
そのため、日本でもアメリカ血統の馬は早熟、ヨーロッパ血統は晩成型になりやすいです。
また競走馬も人間と同じく、牝馬のほうが成長が早い傾向があります。
2歳戦では性別による体力差はあまり見られず、徐々に牡馬の方が体力的に有利になっていきます。とは言え、近年では古馬になっても牡馬を圧倒する牝馬も増えてきており、ここでも人間と同じく女性が強くなっているようです。笑
新聞などでは性別と年齢を牡3や牝4と表記されることが多く、それぞれ牡馬の3歳、牝馬の4歳ということがわかります。
馬の毛色
競走馬には大きく8種類の毛色が存在します。
鹿毛
鹿毛(かげ)は一般的にイメージされる馬の毛色で、最も多い毛色です。
代表馬はディープインパクトやシンボリルドルフ、ジェンティルドンナなどがいます。
黒鹿毛
黒鹿毛は鹿毛よりやや黒い毛色です。
代表馬はナリタブライアン・スペシャルウィーク・エルコンドルパサーなどです。
青鹿毛
青鹿毛は青というより黒に近い毛色で、もはや青なのか黒なのかよくわかりません。
黒やん?
代表馬はサンデーサイレンス・キズナなどです。
青毛
青毛は黒いです。
代表馬はシーザリオや松崎しげるなど。青毛の有名な馬は少ないですが、恐らく青毛自体あまり数が多くないと思われます。
栗毛
栗毛(くりげ)はとても綺麗な黄褐色の毛色です。
たてがみと尻尾が金色のように見える「尾花栗毛(おばなくりげ)」はもはや芸術。尾花栗毛で有名なトウショウファルコという馬は、競馬界きってのイケメンと言われています。
代表馬はオルフェーヴル・タイキシャトル・グラスワンダー・トウショウファルコなど。
栃栗毛
栃栗毛(とちくりげ)は栗毛に比べるとやや茶色っぽい毛色です。
青毛同様、それほどこの毛色の競走馬は多くいません。代表馬はマーベラスサンデーです。
芦毛
芦毛(あしげ)は灰色っぽい毛色で、歳を重ねるにつれて白くなっていきます。
現役時代と引退後では、毛色がまったく違って見えるので、面白不思議な毛色ですね。
代表馬は昭和のアイドルホースと呼ばれたオグリキャップや、ゴールドシップ・クロフネなどです。
白毛
白毛は芦毛とは違い、産まれたときから真っ白な突然変異種です。

なぜ白くなるのかは不明だそうで、白毛からは白毛が産まれやすいともされています。
代表馬はシラユキヒメ・ユキチャン・ブチコ・マシュマロなどです。
競馬のコース
JRAの競馬では、芝・ダート・障害のコースでレースが行われます。僕は障害については詳しくないので、ここでは省略。
JRAでは芝がメインで、生産者も芝向きの血統を重視して強い馬作りを目指しています。大きなレースが行われる回数も、ダートより芝の方が圧倒的に多いのが日本競馬の特徴ですね。
芝コース
芝コースと言っても芝にはいくつかの種類があり、芝によって特徴が違うために馬によって得手不得手が出ることもあります。
芝は大まかに野芝・洋芝・オーバーシードにわけられ、それぞれの特徴は以下の通りです。
野芝
野芝の特徴はスピードが出やすいですが、寒さには弱く、冬になると枯れて茶色がかった色に変色してしまいます。
一昔前の冬のレース映像を見ると、本当に芝なの?と思うような馬場になっています。
洋芝
洋芝の特徴は野芝より質が重く、パワーが必要になります。寒さには強いですが、衝撃には弱いとされています。
北海道にある函館・札幌競馬場では全て洋芝で作られているため、洋芝が得意な馬が人気薄で度々好走することも珍しくありません。
オーバーシード
オーバーシードとは、秋ごろに野芝の上に洋芝を撒き、冬でも綺麗な緑色に保つ手法です。これによって現在では冬でも綺麗な芝でレースが行われています。
JRAでは、ほとんどの競馬場で野芝と洋芝を合わせて使っているということですね。
野芝のみで作られているのが新潟競馬場のみで、新潟競馬は夏しか行われないために野芝だけでも大丈夫なようです。
ダートコース
日本のダートは砂です。ダート競馬の本場であるアメリカでは土が使用されており、ダートといっても別物と考えられますね。
では砂と土ではどう違うのか見ていきましょう。
日本のダート
砂では脚が取られるので、走り抜くにはスタミナとパワーが要求されます。
しかし、雨が降ると脚抜きがよくなり、走りやすくなって時計(タイム)も速くなります。また、雨が降るとスピードの要求値が上がるので、降っていないときと走る馬の傾向が変わりやすくなります。
基本的に短距離では米国血統馬が、中距離以上では欧州血統馬が好走しやすい特徴があります。
アメリカのダート
アメリカのダートは土で、砂に比べると硬くてスピードが出やすいです。
また、スタートからガンガン飛ばして消耗戦になることが多く、いかに速いスピードを持続させられるかが好走のカギとなります。
実は私もアメリカの競馬に関しては大して詳しくないので、墓穴を掘る前にこのくらいにしておきます。
先行馬が圧倒的有利
競馬では基本的に先行する馬が有利な仕組みになっています。
これがダートでは特に顕著になり、そのレースで逃げる馬だけ買い続ければ馬券で大儲けできることも有名な話です。
問題はどの馬が逃げるのかが分からないことですが、初心者でも先行しそうな馬を中心に馬券を買うだけで的中する確率が大幅にアップするかも知れません。
日本と世界のレベル
過去、多くの名馬が海外のレースに挑戦してきました。
一昔前に比べると海外の大レースで勝利するシーンも増えてきましたが、フランスの凱旋門賞やアメリカのブリーダーズカップという、世界的に最高峰と言われるレースでは未だ勝利することができません。
日本では敵なしだったディープインパクトやオルフェーヴルですら、凱旋門賞では敗れているのです。
では、日本馬のレベルが世界に劣っているのかと言われれると、決してそうではありません。日本馬が凱旋門賞やブリーダーズカップで優勝できないのは、馬の適性によるところが大きいのです。
実際、世界で活躍する馬が日本のレースに出走したところで、勝つのはほぼ日本の馬ですからね。
つまり、日本馬は日本の芝(ダート)に対する適性が高すぎるために、質の違う海外のレースでは逆に適性が合わないということです。
日本ではあまり強くない馬でも、潜在能力は超一流で海外で走れば歴史的名馬になる…なんてことも有り得る話なんですよね。
レースの距離
芝とダートでは、レースが行われる距離に違いがあります。
芝の距離
芝では1000~3600mの距離でレースが行われ、おおまかにカテゴリー分けすると以下のようになります。
- 短距離…1000~1600m
- 中距離…1700~2400m
- 長距離…2500~3600m
さらに競走馬は得意な距離によって以下のように呼ばれることがあります。
- スプリンター…1400m以下
- マイラー…1600m
- ステイヤー…長距離
ただし距離の分け方に関しては明確な定義はありません。2400mを長距離とするのも間違いではないですし、あまりこだわらなくてもいいでしょう。
日本競馬でもっとも価値が高いのは芝の中距離で、多くの日本の生産者は芝の中距離に強い馬を生産することを目標としてます。
競馬も慈善事業ではないので、あえてマイナーなダート界でコツコツ稼げる馬作りをすることもありますけどね。
ダートの距離
ダートでは1000~2500mの距離でレースが行われます。
しかし、日本では芝のレースが主体で行われるために、ダートには大レース自体少なく、基本的に扱いが弱いのが現状です。
ダートは1800m以下で行われるレースがほとんどで、2000m以上のレースは数えるほどしか組まれていません。
根幹距離・非根幹距離
競馬では(非)根幹距離という概念があります。これは元々あった概念ではなく、ある予想家が独自に提唱したものが根付いているものと思われます。
しかしその内容は非常に興味深いものであり、知って損はない内容です。
根幹距離とは
根幹距離の定義は以下のようになります。
- 1マイル(1,600m)を中心に、400mごとに区切られた距離。世界で中心的かつ重要なレースが数多く行われる距離のこと
1200m・1600m・2000m・2400m・3200mが根幹距離にあたります。(2800mのレースはない)
日本でも最も格式の高いG1レースのほとんどは、この距離のいずれかで行われるように、競馬の基本となる距離と言えるでしょう。
非根幹距離とは
非根幹距離とは、上記の根幹距離以外を指します。1400m・1800m・2200m・2500mなどですね。
これらは競馬では特殊な距離とされていて、G1が行われることも少ないです。
何が違うのか?
根幹距離と非根幹距離は何が違うのか気になるところでしょう。
正直なところ、僕も完全に納得できるわけではないのですが、一般的によく説明される内容を紹介していきます。
競馬ではゴールの位置は固定されています。
そのため、レースを行う距離はスタートの位置によって調整しますが、競馬場は根幹距離を中心に設計されていると言われており、非根幹距離のスタート位置ではコーナーまでの距離が中途半端になるとされています。
その結果、馬の呼吸やリズムが根幹距離と異なり、ペース構造が変わってくるそうです。非根幹距離はよく一貫したペースになりやすいと言われていて、緩急のない同じペースで走るのが得意な馬が好走しやすくなります。
全てのレースでそうなるわけではありませんが、コースの形態上そのような結果になりやすいということですね。
これがどこまで信憑性のある話かはわかりませんが、実際に根幹距離と非根幹距離で成績がまったく変わる馬も存在します。
G1を圧勝するような一流馬でも、非根幹距離のレースになると簡単に凡走してしまうこともありますし、ここでも馬の適性というものが関わってきている可能性は高いですね。
競馬場編~中央とローカル~
続いて、競馬場について解説していきます。
JRAの競馬場は大きく分けて、中央とローカルに分類します。地方競馬とローカル競馬はまた別物なので、混同しないように気を付けましょう。
中央
中央は東京・中山・京都・阪神の4場です。
それぞれ東京都府中市・千葉県船橋市・京都府京都市・兵庫県宝塚市と、栄えた都市にあります。府中は行ったことないので実際に栄えているのかは知らんけど。
ローカル場所
ローカルは札幌・函館・福島・新潟・中京・小倉の6場です。
ローカルには地方の意味合いがあるので、地方競馬と紛らわしいですが、地方競馬はJRAではなくNARという組織が運営している競馬になります。
中央に比べて大きなレースが行われることは少なめですが、中京競馬場はローカルで唯一のG1が行われる競馬場であったり、札幌競馬場では秋の大レースに向けて超一流馬が集いやすい札幌記念が行われたりと、楽しみは十分あります。
右回り・左回り・内回り・外回り
競馬場には、右回りと左回りのコースがあります。これは競馬場ごとによって違い、どのような距離であっても同じ競馬場であれば同じ方向へ走ります。
2017年のJRAのCMで、競馬初心者が直線で馬が走ってくる逆の方向を見ているというシーンがありましたが、あながち起こり得ないとも限らないかもですね。
馬によっては、「右回りは苦手よ。だってわたし、女の子サウスポーだもの!」という馬もいて、そのような馬は右回りの競馬場と左回りの競馬場で成績が激変します。
さらに、競馬場によっては内回りと外回りコースがあり、これは同じ競馬場なら全て同じではなく、距離や条件によって内外どちらのコースになるか変わってきます。
例えば、新潟競馬場はどの距離でもすべて左回りで行われますが、1200mは内回り・2000mは外回り(内回りもあります)といった具合です。
内回りと外回りではコーナーの角度や直線の長さが変わるので、同じ距離でも傾向が変わります。内回りでは立ち回りの器用な馬が、外回りでは力のある馬が走りやすいイメージですね。
競馬の開催スケジュール
競馬は年末年始のみ若干間が空きますが、基本的に1年中開催しています。
中央場所の東西から1ヶ所ずつの2場開催、もしくは中央2ヶ所+ローカル1ヶ所の3場開催で、数か月ごとのローテーションで開催されます。
- 東京・京都
- 東京・京都・小倉
- 中山・阪神
- 中山・阪神・中京
このような感じですね。ただし、夏の間は中央競馬は開催されず、ローカル3場の変則開催となります。
競馬場の特徴
ここからは競馬場ごとの特徴についてみていきます。
東京競馬場
東京競馬場はG1レースが最も多く開催される、日本を代表する競馬場。最後の直線には坂があり、直線距離も長く、力のある馬が走りやすい構造です。
芝の質は軽めになりやすく、瞬発力のある馬が向いています。
しかし、時期によっては内を通る先行馬しか好走できなかったり、外の差し馬ばかり好走するケースも目立ち、そのときの傾向を見極めることが馬券を取るポイントになります。
日本最高峰にして競馬の祭典ともされる日本ダービーや、古馬の最強クラスが集う天皇賞(秋)・ジャパンカップなどが行われます。
中山競馬場
中山競馬場はおむすび型の形態をしていて、最後の直線には心臓破りの坂があるトリッキーな競馬場です。
2014年に改修され、以前と芝の特徴が変わりました。それまでは先行馬が有利になりやすく、東京競馬場とは異なる適性が問われやすかったのですが、最近は差しが届きやすくなりました。
その結果、以前は中山で少し負けた馬を東京で買うというパターンが有効でしたが、最近はどこまで効果があるかは何とも言えないところです。
一年を締めくくるお祭りレースの有馬記念が行われるのも、この中山競馬場。2017年から有馬記念後に違うレースを増やしたことで、物議を醸しています。
京都競馬場
京都競馬場は、3コーナーから4コーナーにかけて上り坂・そこから直線に向かうまでが下り坂となっている独特のコースです。
外回りコースでは各馬最終コーナーを勢いよく周ってくるため、最後の直線入り口で最内がポッカリ空きやすくなり、そこを狙って一か八かの勝負をする騎手もいます。
直線は長めですが、平坦なので簡単に前の馬は止まりません。
とくに開幕週は最内の芝の状態が非常に良く、グリーンベルトと呼ばれる状況が発生しやすくなり、とにかく馬券は内を走れる馬を狙うのが鉄則になります。しかし、最近は昔ほど極端な偏りはなくなってきましたね。
牡馬クラシック最終戦の菊花賞や、伝統の天皇賞(春)などが行われます。なお、2020年から改修工事が行われるため、しばらくの間は他場で代替されるようになります。
阪神競馬場
阪神競馬場は芝の質が重めで、最後の直線にも急坂があるのでタフな条件になりやすいです。
とくに雨が降るとその傾向は一層強まり、梅雨の時期に開催されることもあり血統的に狙い目になる馬が出やすくなります。
ただし、最近は高速馬場になりやすい傾向があり、その場合はそれほどタフさは問われないので走る馬の傾向も違ってきます。走破時計によって狙い目は臨機応変にする必要がありそうです。
2歳チャンピオンを決める阪神JFや朝日杯FS・春のグランプリと呼ばれる宝塚記念などが行われます。
札幌競馬場
札幌競馬場の芝コースには、全て洋芝が使用されています。
直線は平坦で短いですが、コーナーの角度が緩く、スピードに乗せたまま走りやすいので、意外と差しが届きやすいという特徴もあります。
札幌は洋芝オンリーで夏の時期にしか開催されないため、中にはこの条件がピッタリ嵌る馬もいて、そのような馬は馬券的に注目です。
函館競馬場
函館競馬場も洋芝オンリーで、札幌よりもコーナーの角度がきついため先行有利になりやすいです。
こちらも同じく夏場のみの開催なので、この条件を得意とする馬を見抜けるといい思いができる可能性がありますね。
福島競馬場
福島競馬場は直線が短く平坦で、基本的には内枠と先行馬がかなり有利になりやすいです。
しかし、小回りで直線が短いとなると、どの騎手も早めに仕掛けないと間に合わないのはわかっているので、仕掛けどころが早くなります。そうすると思いのほかペースが速くなり、前に行く馬がバテて差し馬が上位独占して大穴決着となることも。
ただそれを狙って取るのは難しいですし、先行馬を狙うのが得策ですね。
新潟競馬場
新潟競馬場は、日本で唯一の直線だけのレースが行われます。
外回りコースの直線距離は日本一長く、差しが決まりやすい条件ではありますが、平坦なので意外と先行馬が残って穴をあけることもあります。
しかし、馬場が傷みだすと外差しばかりが決まるケースもあったり、それが顕著になると各馬が外へ外へ行く結果、大外の馬は相当な距離ロスとなって逆に内枠が有利になったりと、一筋縄ではいかないコースです。
中京競馬場
中京競馬場はローカルでG1が行われる唯一の競馬場で、改修によって2012年に生まれ変わりました。
当初は稀に見るタフな馬場となっていて外枠の差し馬が有利でしたが、最近は傾向がコロコロ変わるようになり、正直苦手な競馬場です。
苦手な条件はわざわざ馬券を買う必要がないので見送ることが多いですが、今でも超人気薄の大外一気が決まったりすると、ちょっと狙いたくなってしまう自分がいます。
小倉競馬場
小倉競馬場は直線が短く平坦なコースで、基本的には内枠と先行馬が有利です。
しかし芝の1200mではスタート後が下り坂となり、前半のペースが非常に速くなるため差し決着となって波乱が起こることも。
やはり小回りで直線の短い競馬場なので、仕掛けが早くなり消耗戦になりがちです。
馬場状態の変化
近年はほとんどの競馬場でエアレーションという作業を行い、馬場を柔らかく造る(脚への負担を軽減させる)ようになっています。
数年前の開幕週では芝が綺麗で硬く、速い時計が出やすいので内枠と逃げ・先行馬が圧倒的有利な状況になり、外枠に入った時点で勝負にならないこともありました。逆に、開催後半では内側の芝が荒れ、外を走る差し馬が上位に来やすくなるといった感じです。
しかし、エアレーションを行うと、開幕週から時計が掛かって差しも届きやすい馬場になります。
エアレーションで柔らかく造られた芝は、開催が進むごとに踏み固められるので、開催後半のほうが時計が速くなって先行馬が残りやすくなるといった、従来とは逆の現象が起こるようになりました。
これまでの常識だった開幕週の内枠先行馬狙いも、単純に通用する時代ではなくなってきたということですね。
長くなりましたので、続きは次回の記事にまとめておきます。

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