iDeCoは金融機関ごとに取り扱っている商品が違うので、どの金融機関を選ぶかで運用結果が大きく変わるといっても間違いではありません。
このブログは40代以下の方を主な対象として想定しており、実際にご覧いただいているのもその年代が多いので、その前提で話を進めていくことをご理解ください。
iDeCoでは60歳まで資金を引き出すことができないため、40代以下では運用できる期間がまだまだあることになります。
そういった方には、僕は株式の比率を高くする運用をすすめていますし、実際に僕は株式100%で運用しています。
なぜ値動きの激しい株式だけで運用できるのか?
それは、米国株式を中心とした先進国株式・全世界株式であれば、20年ほど運用するとほぼ間違いなく利益が出るだろうと考えているからです。
その理由まで話すと長くなるので、ここでは割愛させていただきますが、別記事で解説しているので暇なときにご覧いただければと思います。(見ろよ?)

とはいえ、まだ投資をほとんどしたことがない人にとっては、株式で運用するにしてもどんな商品を選べばいいかわからず、不安になりますよね。
そんな方のために、ここでは僕がおすすめするiDeCoで運用できる商品を、金融機関ごとに紹介していきます。
iDeCoでおすすめの金融機関は少ない
iDeCoの口座を開設できる金融機関は数多くあれど、おすすめできるところは少ないです。
iDeCoの金融機関選びで重視することは、手数料が安いこと、長期投資に適した商品を取り扱っていることの2点です。
その点を考慮すると、現時点でおすすめできるのはSBI証券・マネックス証券・楽天証券の3社。
少なくね?!
そう、少ないんですよ。
ですが、上記3社ならどこを選んでも問題ないので、むしろ選択肢が少ないほうが選びやすくて楽ですよね。
一応、個人的にもっともおすすめなのはSBI証券です。
iDeCoでおすすめの商品
では、それぞれの金融機関で取り扱っている商品のなかから、おすすめを紹介していきます。
実は、おすすめの商品もかなり限られているので、ちょっと拍子抜けするかもしれませんが、まずはSBI証券から紹介します。
SBI証券
SBI証券では、オリジナルプランとセレクトプランという2つのプランがありますが、取り扱っている商品が違うだけです。ラインナップを見ても、申し込むときはセレクトプラン一択でいいでしょう。
セレクトプランでおすすめは以下の6商品です。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
- SBI・全世界株式インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
- ニッセイ外国株式インデックスファンド
- eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、米国の主要企業500社に投資ができる商品で、これだけで米国の大部分に投資ができます。
米国はこれまで右肩上がりに経済成長を続け、今後もそうなることに期待ができるため、最近では米国株投資をおすすめする人も増えてきました。
おすすめ商品のなかでも、もっともおすすめなのがこの商品です!
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)は、日本を除いた全世界に投資ができる商品です。ただ、約6割を米国が占めているので、米国の影響を強く受けることになります。
この商品は日本への投資をしていませんが、日本は少子高齢化が進み、今後の経済成長に期待できるかどうかは疑問がありますから、投資をする価値があるかどうか微妙なところ。
米国のみに比べると、対象が広く分散されるため、そのほうが安心だと思う場合はこちらを選ぶのもいいかと思います。
SBI・全世界株式インデックス・ファンドは、日本を含めた全世界に投資ができる商品です。
それ以外にも、他の商品は現物株で運用をされますが、この商品は3つのETFで運用されるという特徴があります。
正直、これがリターンにどれだけ影響するかは、後になってみないとわかりませんが、どうもETFで運用するタイプは今ひとつ…という傾向にあるようです。
10年・20年後には良好な運用ができている可能性もありますから、一応おすすめとして紹介しておきますが、個人的にはeMAXIS Slimシリーズのほうを推したいですね。
一応、こちらの商品は米国の約2,000社を対象に投資ができ、米国が全体に占める割合は約55%となっています。
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスと、ニッセイ外国株式インデックスファンドは、どちらも日本を除く先進国株式に投資ができる商品です。
何が違うのかと言えば、ほぼ同じと言ってもいいくらい違いはありません!
ニッセイのほうが運用している金額が多いですが、eMAXIS Slim でも十分な運用資金があるため、どちらを選んでも大丈夫です。
有識者にどちらが10年後に高いリターンを出しているか?と尋ねても、確固たる根拠をもって答えらえる人はいないと思います。
迷ったらサイコロで決めたらいいさ!(マジで)
最後にeMAXIS Slim 新興国株式インデックスですが、これは新興国へ投資ができる商品です。
新興国は目覚ましい成長を遂げる可能性もありますが、それが株式投資のリターンとイコールとは限りません。また、長期的に高いリターンをもたらしてくれるかどうかも、はっきりしないところがあります。
こちらは投資の軸として保有するより、サブ的な扱いで少しだけ持っておくくらいの扱いでいいのでは?とも思います。全世界株式を保有していれば、新興国も多少含まれていますしね。
ここで紹介したのはいずれも運用にかかるコストも低いですし、1つに絞る必要もないので複数選んで運用してもいいでしょう。
なお、これまでの歴史では、全世界株式よりも先進国株式よりも、米国のみに集中していた投資のほうが、高いリターンをもたらしてくれたという事実があります。
もちろん、今後もそうなる保証はありませんが、商品を選ぶときの参考にしてください。
マネックス証券
マネックス証券でおすすめする商品は、SBI証券とほぼ同じです。
マネックス証券のおすすめ商品は、SBI証券とほぼ同じです。こちらもS&P500へ投資ができる商品があるので、これを選んでおけば問題ありません。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- eMAXIS Slim 先進国株式
- eMAXIS Slim 新興国株式
こちらは全世界株式が日本も含むオール・カントリーとなっています。
違いはそれだけなので、少し選択肢の多いSBI証券を上位評価しています。ただ、上記のいずれかで十分と考えているなら、どちらも差はありません。
はい、説明終わり!
楽天証券
楽天証券では取り扱っている商品が少し異なり、ここでは以下の3商品がおすすめです。
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
- たわらノーロード先進国株式
やはり米国・全世界・先進国となりますが、楽天証券では新興国へ投資する商品はコストが高いためおすすめできません。
楽天・全米株式インデックス・ファンドは、米国の上場企業ほぼすべてを対象に投資ができる商品で、S&P500ではカバーしていない小型株なども含まれています。
こちらはVTIというETFを楽天の運用会社が買い付けて運用するもので、VTIは僕も特定口座で保有して運用しています。
ただ、楽天・全米株式インデックス・ファンドで保有するとなると、間に楽天が入ることで直接VTIを保有するよりコストは高くなるのがデメリットです。
しかし、投資信託なら100円から投資ができるので、少額からでもVTIを保有できるというのが大きなメリットですね。
VTIの株価は執筆時点で約15,000円なので、個人で保有しようと思うと15,000円単位でしか保有できません。
他にも投資信託ならではのメリットもあるので、どちらが良いかは一概に言い切れないのです。むしろ、どちらも良いんで気にしなくていいです。
楽天・全世界株式インデックス・ファンドは、VTというETFを楽天の運用会社が買い付けて運用する、全世界へ投資ができる商品です。
対象が全世界に広がったというだけで、とくに説明することはないかな?
たわらノーロード先進国株式は、先ほどのeMAXIS Slim 先進国株式・ニッセイ外国株式インデックス・ファンドと同類の商品です。
これもほとんど違いはないので、楽天証券で先進国株式へ投資がしたいなら、この商品を選べば問題ありません。
会社の企業型確定拠出年金に加入している方へ
会社員の方なら、すでに会社で「企業型DC(確定拠出年金)」へ加入している可能性もあります。
その場合、金融機関は会社が選んだところになりますから、選べる商品も限定されてしまいます。
友人の勤め先の企業型DCの商品を見せてもらったところ、米国に絞った商品がなく、さらに信託報酬の高い商品ばかりでした。
先進国株式の商品がありましたが、ここで紹介した商品とはコストが雲泥の差。それでも他にまともな商品がなかったので、その先進国株式をおすすめしておきました。
コストが高いとはいえ、外国株式で運用していればリターンには期待できますからね。eMAXIS Slimシリーズなどのコストが安すぎるだけで、感覚が麻痺しているのかもしれません。
ですから、もしあなたの会社で上記の商品が選べなかったとしても、先進国株式や全世界株式といった商品があれば、それを選んでおくといいでしょう。
ただし、信託報酬が年率1%を超える商品は、選ばないほうがいいです。そういった商品は、外国株式の運用でも少し方針が違うアクティブファンドである可能性が高いため、リターンに期待できるかどうかわかりません。
ここで紹介している投資信託はすべてインデックスファンドです。その違いはこちらの記事で解説しているので、しっかり理解しておいたほうがいいと思います。

まとめ
iDeCoはおすすめできる金融機関も、おすすめできる商品も限られています。
多くの金融機関に多くの商品があって難しく感じますが、長期投資で重要なのは、長期的に成長が見込める対象へ、少ないコストで投資ができる商品を選ぶこと。
それを満たすのがここで紹介した商品ですから、これらを選んでほったらかしにしておけば、僕たちの老後の助けとなってくれるでしょう。
iDeCoのメリット・デメリットについて解説しています。

iDeCoを始めた後は、出口戦略について検討しましょう。

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