【掛けすぎ注意!】生命保険や個人年金保険は節税ができてお得なのか?

生命保険や個人年金保険では、支払った保険料に応じて所得税と住民税が安くなる「生命保険料控除」が適用されます。

他にも介護医療保険料(医療保険など)も控除の対象となるため、保険のセールストークでは節税にもなってお得ですと勧められることもあるでしょう。

果たして、生命保険料控除があるから保険に加入するのは本当にお得なのでしょうか?

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複雑な生命保険料控除

会社員の方なら11月頃に年末調整の書類を受け取り、保険に加入していれば生命保険料控除の欄に金額を記入することになります。

年に1度しかない作業なので、記入の度に何をどう書くんや?ってなる人も多いと思います。

僕も詳細は理解しきっていないので、生命保険料控除について調べてみようと思ったところ、その仕組みが余りにも複雑すぎて嫌になりました(逃亡)。

大まかには理解した(つもりな)ので、簡単に解説していきます。なお、税金のド素人が計算しているので、若干の間違いはあるかも知れませんがおおよその計算として大目に見てください。

新旧の違い

生命保険料控除の記入欄に、「新制度旧制度」と書き込むところがあります。

保険の新旧って何やねんって思いましたが、どうやら「平成24年」を境に、「それ以前に契約した保険」であれば旧制度であり、「それ以降に契約した保険」だと新制度となるようです。

平成24年に生命保険料控除の制度が改正されたため、このような分け方をしています。

新・旧の保険によって次項の区分や控除額が違ったりもしてややこしいので、この記事では平成24年以降に契約した新制度の保険を対象としてお話を進めていきます。

生命保険料控除の区分

生命保険料控除では、保険を以下の3つに区分して控除が適用されます。

保険料控除の区分保険
一般生命保険料控除・生命保険
・養老保険
・学資保険など
介護医療保険料控除・医療保険
・がん保険など
個人年金保険料控除・個人年金保険

一般生命保険料控除は、死亡保障が付いている保険ですね。介護医療保険料控除は、入院・通院によって保険金が支払われる保険が対象です。

個人年金保険料控除では、保険の払込期間が10年以上・年金の支払開始が60歳以降・支払い期間が10年以上という条件付きとなっています(なんでや?!)。

(新制度の)控除額

生命保険料控除では上記の3区分それぞれにつき、所得税で「最大40,000円」・住民税で「最大28,000円」が控除されます。

所得税なら、3区分合わせて合計120,000万円まで控除されるということです。住民税は、合計84,000円…ではなく、なぜか合計70,000円が上限となっているようです。

ただし、年間40,000円の保険料を払えば控除額が40,000円になるというわけでもありません。

【所得税の控除額】

年間保険料控除額
20,000円以下全額
20,000円超
~40,000円
(保険料×1/2)
+10,000円
40,000円超
~80,000円
(保険料×1/4)
+20,000円
80,000円超40,000円

【住民性の控除額】

年間保険料控除額
12,000円以下全額
12,000円超
~32,000円
(保険料×1/2)
+6,000円
32,000円超
~56,000円
(保険料×1/4)
+14,000円
56000円超28,000円

仮に、生命保険で年間50,000円の保険料を支払っている場合の控除額を計算します。

所得税(50,000円×1/4)+20,000円=32,500円
住民税(50,000円×1/4)+14,000円=26,500円

医療保険で年間30,000円の保険料を支払っている場合の控除額を計算します。

所得税(30,000円×1/2)+10,000円=25,000円
住民税(30,000円×1/2)+6,000円=21,000円

個人年金保険で年間120,000円の保険料を支払っている場合は、所得税・住民税は上限の40,000円・28,000円となりますね。

これを合計します。

区分所得税住民税
生命保険料控除32,500円26,500円
介護医療保険料控除25,000円21,000円
個人年金保険料控除40,000円28,000円
合計97,500円75,500円

住民税は合わせて70,000円が控除の上限となるので、今回のケースでは5,500円分は控除されないということになります。

ややこしいだろぅ?

控除額の分だけ税金が安くなるわけではない

節税の話がややこしいのは、税金の仕組みがややこしいことも大きいですね。

何も知らない人であれば、先ほど計算した控除額の分だけ税金が安くなると勘違いするかも知れません。

もちろんそんなことにはならないのですが、どれくらい税金が安くなるかを簡単に計算していきましょう。

先ほどの控除額は、自分の「収入」から差し引くことになりますが、税金は「課税所得」に応じて決まります。

収入から保険料控除を適用することで、課税所得が少なくなり、結果的に税金が安くなるというのが基本的な仕組みです。他にも控除されるものがあれば、それだけ税金は安くなります。

例えば会社員で収入500万円の場合、まず「給与所得控除」によって「154万円」が収入から差し引かれます(給与所得控除は収入によって変動)。

差し引かれた「346万円」から「基礎控除」として「38万円(住民税は33万円)」を差し引きます。

ここに「生命保険料控除」も差し引いた金額が課税所得となり、今回のケースでは2,982,500円(住民税の分は3,060,000円)となります。

その金額に応じた税率を掛け、「課税控除額」を差し引いた金額が支払うべき所得税です。住民税は一律で10%です。

収入500万円
給与所得控除154万円
基礎控除38万円(所得税)
33万円(住民税)
生命保険料控除97,500円(所得税)
70,000円(住民税)
課税所得2,982,500円(所得税)
3,060,000円(住民税)

この課税所得の場合、所得税率は10%、課税控除額は97,500円です。

つまり、298,250円から97,500円を差し引いた「200,750円」が所得税ということですね。月額で約16,700円です。

もし保険に加入しておらず、生命保険料控除がゼロだった場合の所得税は「210,500円」。その差はわずか「9,750円」です。

あれこれ計算しましたが、簡単に節税額を求めるなら「保険料控除額×所得税率」で計算できます。

所得税率が大きい人ほど、節税になると言えますね。所得税率が10%なら、控除額が最大であって年間19,000円の節税効果しかありません。

税金が安くなるから…という謳い文句で加入するには、あまり得策とは思えない金額ではないでしょうか。

まとめ

所得税率が低ければ大した節税にならないとはいえ、必要な保険には加入しておくことは重要です。

あくまでも、節税が目的の保険加入はよろしくないということ。節税以上に、無駄な保険料を支払っていては意味がありません。

保険で節税を考えるくらいなら、iDeCo(個人型確定拠出年金)を利用するほうが効果は大きいでしょう。iDeCoなら、掛金がすべて所得控除となります。

60歳まで引き出しができないなどの制約はありますが、利益が非課税などのメリットも大きいため、一考の余地はあると思いますよ。

おしまい。

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