掛け捨ての生命保険はもったいない!と思うのがもったいない

掛け捨て型の生命保険は、何もなければ支払った保険料が返ってくることがないため、加入するのはもったいないと考える人がいます。

しかし、本来の保険の役割を考えると、掛け捨て型の生命保険をもったいないと思うほうがもったないですね。

この記事では、掛け捨て型と貯蓄型の生命保険の違いや、生命保険は掛け捨て型のほうが良い理由について解説していきます。

スポンサーリンク

掛け捨て型の生命保険

掛け捨て型の生命保険は、10年や15年、または60歳・65歳までといった形で契約し、その間に被保険者が死亡した場合に保険金が支払われる保険です。

保険金を一括で受け取るものが一般的ですが、年金のように保険金を毎月受け取ることができる「収入保障保険」というものもあります。

掛け捨ての保険は「必要な保障を必要な期間だけ」契約できるため、契約の内容がシンプルでわかりやすく、無駄な保障を付けずに済む可能性が高いです。

貯蓄型の生命保険

貯蓄型の生命保険には終身保険・養老保険・学資保険があり、終身保険以外は満期が決められているため、定期型の貯蓄型保険ということになりますね。

終身保険は満期がありませんが、保険料を支払う期間は終身払い(一生涯払い続ける)か、60歳や65歳までに払い込むかを選択できます。

後者はそれ以降の保険料の負担はせずに、保障は一生涯受けられることになりますが、毎月の保険料は終身払いに比べると高くなります。

また、いずれも一定期間を過ぎれば支払った保険料より多くの返戻金が受けとれるため、貯蓄と保険を兼ね備えた商品として販売されています。

貯蓄型をおすすめしない理由

僕は貯蓄型の生命保険はおすすめしません。

なぜなら、貯蓄型の契約には複雑な内容が多すぎて、どんな契約をしているのか理解しにくいため、無駄な保障を付けられている可能性が高くなるから。

また、生命保険が必要な期間と保障額は、時期によっても変わるため、すぐに見直しができない貯蓄型だと不利だからです。

保険は人生で二番目に高い買い物と言われます。

自分がよくわかっていない商品へ何十万、何百万という大金を投じるのは正気の沙汰ではありません。全て理解したうえで契約するならまだしも、ほとんどの人は保険について理解できていないのが現実ではないでしょうか?

早期解約なら損をする

貯蓄型の保険は基本的に早期解約すると、支払った保険料より少ない返戻金しか受け取れません。

保険料は保険金に充てる金額と返戻金に充てる金額、保険会社の手数料に分けられます。保険金に充てる金額は貯蓄型でも掛け捨て扱いとなり、残りを返戻金と手数料に充てることになります。

契約初期は、保険金に充てる金額以外の部分のほとんどが手数料として取られるので、返戻金に充てるお金がありません

つまり、保険会社は手数料をしっかりと徴収し終えてから返戻金をプールし始めるということです。ということは、早期に解約しても保険会社は利益を得ることができて、損をするのは契約者だけということですね。

もちろん、早期解約しなければ元本以上の返戻金を受け取ることができますが、その返戻率は非常に低いことも問題です。

低い運用利回り

某保険会社の終身保険(60歳払込満了)で20歳から40年間保険料を支払った場合、満期時の解約返戻率は約116%となっています。

死亡保障額500万円なら保険料は月々約7,700円、支払い総額は約370円となり、60歳で解約したときには約430万円が受け取れる契約です。

おぉ!元本より60万円も増えちゃったよオイッ!!

と思われるかもしれませんが、ここで考えなければならないのは、これは40年間も資金を拘束されたことでようやく得られる結果だということです。

複利運用したときの運用利回りは、年率0.8%程度でしかありません。まぁ定期預金よりかはマシな程度ですね。

マシな程度ですが、40年間支払いを続け、途中解約すると損をするリスクがあるうえでのリターンと考えると、果たしてこの返戻率に魅力はあるのでしょうか?

契約内容を理解しづらい

何よりも貯蓄型をおすすめしないのは、やはり契約内容がわかりづらいことに尽きます。

養老保険や学資保険は、それぞれ自分の老後資金・子供の教育資金として積み立てていくものですが、目的が違うだけで構造は同じ。

どちらも早期解約で損をする、低利回りの商品なのです。学資保険は教育資金を効率よく貯めることができる仕組みなっています!なんてことはありませんからね。

また、契約者にはよりわかりづらい内容で、あたかもメリットが大きいような謳い文句ですすめられる商品もあります。それが、外貨建て終身保険です。

外貨建て終身保険

日本が低金利であることを理由に、金利の高い外貨建て終身保険なら貯蓄性が高いと契約を勧められることもあるでしょう。

単純に日本より金利の高い通貨で運用すれば、外貨建てでは確かに増えることになりますが、為替によっては円建てではマイナスになる可能性があります。

さらに、外貨建てはとにかく手数料が高いことで有名で、それは保険料から運用に充てる金額が少ないことを意味します。

金利が高い通貨にはそれなりの理由があり、金利差で簡単に儲かるなら今頃は世界中に億万長者が誕生しているでしょう。そうなっていない理由は、金利差があっても儲かるかどうかは別の話だから…ということに他なりません。

定期保険特約付終身保険

他にも定期保険特約付終身保険といった商品もあり、これは終身保険にプラスして定期保険(掛け捨て)の契約をするものです。例えば、保障額が3,000万円の契約で、そのうち2,800万円が定期保険、貯蓄型にあたるのは200万円といった内容です。

この時点で意味が理解できない人も多いでしょうし、その場合どれだけメリットがあるようにすすめられても加入するべきではありません。

定期保険の保障が一生涯続くと勘違いしている人も多いようで、営業マンの説明不足や契約者の知識不足によって多々問題があった保険のようです。

生命保険は必要な時期に必要な保障だけで良い

貯蓄型保険でも、自分で理解して納得したうえで加入するなら問題はないでしょう。ただ、そのような知識がある人は、貯蓄型保険に加入する選択はしないはずですけどね。

僕が生命保険で掛け捨てをおすすめする理由は、契約がシンプルなだけではなく、そもそも必要は保障は時期によって変わるからです。

生命保険に加入する最大の目的は、自分にもしものことがあった場合、残された家族が金銭面で生活に困らないようにするためです

小さな子供がいる家庭なら、親ひとりで子育てをするだけでも大変なのに、生活費に加えて教育資金を用意するのは不可能に近いでしょう。

ただ、子供が5歳の場合と20歳の場合なら、これから必要になってくるお金は明らかに違いますよね。なのに、契約時から同じ保障がずっと続く貯蓄型の保険に加入するのは、何の意味があるのでしょうか?

貯蓄を兼ねて…という考えも、増えるお金はリスクに対してリターンが少なすぎます。

生命保険は子供が小さいときは多めの保障を、大きくなるにつれて保障額を減らしてくように、掛け捨て型でいつでも見直せるようにしておくのが最適です。

保険はひとつの商品にすぎない

保険とは、しょせんひとつの商品にすぎません。洋服を買えば、お金と引き換えに洋服が手に入りますが、保険で手に入るのは「もしものときの保障」です。

洋服はお金と等価ですが、保険で得られる保障は等価ではないですよね。人によっては、数万円~数十万円の掛金で数千万円の保障が得られます。その分、何もなければ一円も手にすることができませんが、それを以て「もったいない」と考えるのはおかしな話なのです。

また、車を所有している人なら、自動車保険に加入しているはずです。その自動車保険も掛け捨て型の保険ですが、自動車保険をもったいない!と考える人はいませんよね。

自動車保険は事故を起こしたときに備えて、少ない掛金で大きな保障を得るための商品です。生命保険は自分にもしものことがあったときに備えて、少ない掛金で大きな補償を得るための商品。

備える対象が違うだけで、どちらも構造は同じなんですから、生命保険だけもったいないと考えるのは、やはりおかしな話だということです。

まとめ

生命保険は必要な時期に必要な分だけの保障で加入する。それが保険料を無駄に支払わないための最適な方法です。

保険金を受け取ることがないのは、それだけあなたが元気に過ごせたということですから、保険料を支払ったことをもったいないと思う必要ありません。

掛け捨て型は支払う保険料がもったいないと思い、無駄に保険料が高い貯蓄性の保険に加入するほうがもったいないです。保険はあくまでひとつの商品にすぎないので、要らない保険には加入しないことが大切です。

おしまい。


シェアする

フォローする