【生命保険の選び方】無駄なお金を払っている余裕ありますか?




日本は欧米に比べて、生命保険に加入している人が遥かに多いそうです。にもかかわらず、多くの人はその内容をあまり理解されていないのが現状。

なかには、社会人になれば保険のひとつやふたつ…という謎の理論で加入している人もいるのではないでしょうか?

生命保険は必要な人には必要なものです。

ただ、保険は人生で二番目に高い買い物と言われるくらいですから、内容がよく分からないものへ加入するのは危険です。

複雑で難しそうという先入観から、営業マンに勧められるがまま加入していては、自分の大切なお金を無駄にしかねません。

生命保険は難しく考える必要はなく、選ぶ基準は「シンプルイズベスト」、これに尽きます。

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生命保険に加入する意味は?

そもそも、生命保険に加入する意味はなんでしょうか。よく「万が一のため」と聞きますが、ではその万が一とはどんなときですか?

多くの人は、自分の身に何かあったときと漠然とした考えをお持ちだとは思いますが、それは誰もに当てはまるわけではありません。

生命保険に加入する目的は、「自分が亡くなった場合、金銭面で生活に支障が出る人のために備える」ということです。

生活に支障が出るのは、主に家族です。

収入の柱となる人物が亡くなったとき、残された家族が生活に困らないように、生命保険で備えるということですね。

そんなこと当たり前やろ!と言われそうですが、案外これに当てはまらない、例えば独身の人が生命保険に加入しているなんてケースも多いですよね。

独身の場合、自分が亡くなったときに誰が生活に困るのでしょうか?何か事情があるなら別ですが、一般的に独身には生命保険は不要です。

また、家族がいる場合でも生活が成り立つのであれば、生命保険の必要性は高くないということですね。

生命保険が必要な人

生命保険が必要な人とは、主に既婚者となります。ただし、既婚者でも子供がいない場合はそれほど必要性は高くないでしょう。

なぜなら、仮に夫(妻)が亡くなったとしても、子供がいなければ自分で働くことができるからです。

つまり、生命保険に加入する必要性が最も高いのは、小さい子供がいる家庭となります。

小さい子供がいれば働きに出るのも簡単ではないですし、十分な収入を得ることも難しい。その後の生活費や教育費を用意するのが困難になることは想像に容易いです。

そんな「万が一」のときに備えるのが生命保険ということです。

子供がいても、年齢によって必要な保障額というのは変わってきます。

すでに成人していれば教育費は必要ないし、自分で働きに出ることもそう難しくはないでしょうから、生命保険の必要性は高くないと言えるでしょう。

一生のうち、生命保険が必要な時期というのは限られているため、終身の生命保険に加入する意味はほとんどありません。

保障額は?

生命保険の保障額がどれだけ必要かは、子供の人数や年齢などによっても変わるため、一概にこれだけ必要!とは言えません。

一般的には「1,000~3,000万円程度」で備えるケースが多いようですが、いつまでも同じ保障額が必要というわけではないです。

基本的には、子供が大きくなるにつれ、必要な保障額は減っていきます。

そのため、保険は一定期間で見直すことが重要になり、家計管理ができている家庭なら、子供が成人するころには生命保険は不要となっていることでしょう。

また、公的制度に「遺族(厚生)年金」があります。遺族(厚生)年金の支給額は家庭によって違いますが、大きな支援になります。

遺族厚生年金が十分に貰える状況であれば、生命保険は必要ないと言えるかもしれません。まずは、公的な保障をいくら受け取れるかを調べ、足りないと思う分を、民間の生命保険で備えるのがベストです。

専業主婦に生命保険は不要?

専業主婦は生命保険に加入する必要はないという人もいますが、個人的には子供が小さいうちは専業主婦でも加入しておくほうが良いかと思います。

なぜなら、もし妻が無くなった場合、夫はそれまでと同じように働き、同じだけの収入が得られる可能性が低くなるからです。

2014年からは専業主婦が亡くなった場合でも、条件を満たせば遺族年金が支払われるようになりましたが、月額にしておよそ10万円あるかどうかというくらいです。

遺族年金が支給されるだけでも助かることは間違いないですが、父親一人で子供を育て、仕事を続けていこうとなると、その約10万円で収入が減る分を賄いきれるかどうかは微妙でしょう。

そんなとき、生命保険に加入していればお金の面で心配する必要も少なくなるでしょう。

例えば、子供があと10年で成人する年齢ならば、500万円あれば年間50万円、月額約4万円を上乗せすることができますね。

各家庭の貯蓄状況や、遺族年金以外にいくらあれば困ることはないかを考慮した上で、専業主婦の妻も一定期間は生命保険に加入しておくことは合理的ではないでしょうか。

仮に、35歳女性が某生命保険(500万円)の掛け捨て型に加入する場合、保険料は月額675円です。

定期保険と終身保険

生命保険には、一定期間の保障をしてくれる「定期型」と、一生涯保障が続く「終身型」があります。

多くの人は「一生涯」という響きに惹かれるのか、終身型に加入するほうがお得だと思っているようですが、これまで説明してきたように、必要な保障は時期によって変わるため、一生涯の保障は基本的に不要です。

つまり、生命保険で加入するべきは、ずばり定期型ということです。

定期型

定期型は掛け捨ての保険で、「契約後10年間」や、「65歳まで」という形で契約をします。保険料は、契約している期間中は変わりません

しかし、契約更新時に同額の保障を継続しようとすると、保険料は大きく上昇することになります。

また、契約期間内に何も起きなければ、保険金は受け取ることはできません。そのため、掛け捨ては「もったいない」と考える人もいるようですね。

しかし、生命保険ではもったいないと考えること自体、考え方が間違っていると言えます。

保険は万が一に備えるものであり、いつか保険金を受け取るために加入するものではありません。

先ほども言いましたが、生命保険は時期によって必要な保障額は変わっていきます。そのため、いつでも契約内容を見直せる定期型でないと、逆に無駄が増えてしまうことになりかねません。

必要な保障を必要な期間だけ「購入する」のが、生命保険という商品なんです。

保険で「もったいない」を意識するのは、その保障が自分で賄える程度の金額である場合です。

例えば、多額の貯蓄がある人が加入する医療保険。医療費は貯蓄があれば十分賄えるものなので、わざわざ受け取れるかどうか分からない保険で備えるのは「もったいない」と言えます。

しかし、生命保険のように、少ない保険料で大きな保障が受け取れるものは、決してもったいなくはありません。

終身型

終身型は、60歳や65歳までと満期を決める支払い方法や、満期は決めずに保険料も一生涯支払う方法があります。

前者の方が毎月の保険料は高くなりますが、満期を迎えればそれ以降の保険料の支払いは不要となります。

後者は保険料は安くなる分、生きている限り保険料の支払いが発生します。

言い方はあれですが、後者は長生きすれば損をする可能性がある…とも言えそうですね。

保険料は、契約時から上がることはありません。

また、解約しても返戻金(へんれいきん)としてお金は返還されるため、貯蓄と保険を兼ね備えた素晴らしい商品…というイメージを持たれている人もいます。

満期まで解約しなければ、支払った保険料を上回る返戻金を受け取れる商品もありますが、解約するのが早いほど、返戻金は少なくなるので損をすることになります。

なぜそうなるかの仕組みは単純です。

保険料は、保険金に充てる部分返戻金に充てる部分保険会社の手数料に分けられます。

終身保険でも、実は「保険金に充てる部分は掛け捨て」になっています。

そして、契約初期のころは、返戻金に充てる部分のほとんどが、保険会社の手数料として徴収されます。

保険会社が手数料を確保したあとでようやく、契約者の返戻金が本格的にプールされ、それを運用していくのです。

つまり、契約初期に支払う保険料は、保険金に充てる分と手数料にしか使われない…と言えます。

手数料の支払いを終えようやく、返戻金に充てるための運用が開始されるので、長期間契約をしないと元本割れすることになります。

終身型をお勧めしない理由

終身型なら死亡時には保険金、解約時には返戻金が受け取れる仕組みになっています。つまり、「確実に」いくらかのお金は受け取れるということですね。

これが終身型に加入したくなる理由だと思いますが、個人的には以下の理由から終身型に加入すべきではないと考えています。

1. 必要な保障は時期によって変わる
2. 毎月の保険料が高い
3. 貯蓄部分は、保険会社に運用してもらっている
4. 満期前に解約すると、元本割れする
5. 資金の流動性が悪い

先ほども言いましたが、必要な保障額というのは時期によって変わります。そのため、一生涯同じ契約が続く終身型にする意味がありません。

また、解約返戻金として準備される分は、契約者が支払う保険料が元となるので、毎月の保険料は当然高くなります。

満期を迎えれば、支払った保険料以上に解約返戻金が受け取れるのは、保険料を保険会社が運用しているからです。しかし、その分の手数料もどれだけ掛かっているか不透明で、利回りは相当低いのが現実です。

そして、何か現金が必要になった場合など、満期前に解約すると返戻金は元本を下回る可能性が高くなり、リスクとリターンのバランスが悪いのです。

そうなると、途中で解約したくてもできない…なんてことにも繋がりかねず、資金の流動性は非常に悪いと言えますね。

実は相当に低い運用利回り

某保険会社の終身保険(60歳満期)で20歳から40年間保険料を支払った場合、満期時の解約返戻率は約117%となっています。

死亡保障額が500万の場合、保険料は月々約7,700円で、支払い総額が約370万円。これが、満期時には解約返戻金として約435万円を受け取れることになります。

うおぉぉぉ!元本より65万円(17%)も増加しちゃったよオイッ!。

なんて思うかもしれませんが、これは「40年間」も資金を拘束された結果です。複利運用した場合の年間利回りで考えると、約0.8%程度でしか運用されていないことになります。

しかも、これは満期前に解約すれば元本割れする…という条件付きですからね。

自分で運用する方が効率的

年率0.8%程度の運用なら、自分で運用するほうが効率的です。もちろん、日本では投資に対して誤った知識を持っている方が多いので、まずは勉強する必要がありますけどね。

では、自分で運用するだけでどれくらい違いが出るかをシミュレーションしていきます。

まず、終身型の保険に加入する代わりに、保険料の安い定期型へ加入します。

ある保険会社で、死亡保障500万円を10年の定期型で60歳まで加入した場合、保険料は以下のようになります。

年齢月額
20~29歳1,185円
30~39歳1,320円
40~49歳1,995円
50~59歳3,755円
合計990,600円

実際には、年齢が上がれば保障を減らすことができるはずですが、ここでは考慮しません。

同じ保障額で20歳から終身型で加入した場合、毎月の保険料は月額7,700円となっています。この保険料と定期型との差額を、自分で運用することにしましょう。

差額はそれぞれ以下のようになります。

年齢月額年額
20~29歳6,515円78,180円
30~39歳6,380円76,560円
40~49歳5,705円68,460円
50~59歳3,945円47,340円
合計約270万円

差額の合計である約270万円が、運用する元本となります。今回は、1年ごとに差額分を投資をして運用するようにします。

1%で複利運用した場合

複利運用とは、元本に利息を加え、翌年以降の元本を増やすことで受け取る利息が増えることにより、次第に元本が膨れ上がるようになる運用のことを言います。

表でご覧いただければイメージしやすいかと思います。先ほどの差額分を、1%の複利運用した結果がこちら。

20~29歳までの10年間は、毎年78,180円を投資します。年間1%の利息を元本に組み入れることで、翌年からは利息が増加していきます。

年数単利複利
1年目782円782円
2年目1,564円1,571円
3年目2,346円2,369円

最初は僅かな差しかありませんが、時間が経つにつれて差が大きくなるのが複利運用の大きな特徴です。

このようにして、終身型との差額分を毎年投資していくと、40年後には約270万円の元本が約360万円となります。返戻率で考えると、約133%です。

運用の利率が高ければ高いほど複利の効果は発揮されますが、高すぎるリターンを求めると、相応のリスクが発生します。

しかし、自分で運用するにしても、年率3%くらいのリターンを得ることは決して難しくはないでしょう。

3%で運用した場合、40年後にはこのようになっています。

3%で複利運用した場合

3%で運用すると、40年後には約570万円にもなります。返戻率で考えると約211%、保険会社で運用してもらうのとは雲泥の差ですね。

ほぼゼロ金利の預貯金に慣れてしまっている方には冗談かと思われそうですが、これが投資、複利の力なのです。

投資をしている人がどんどんお金持ちになるのは、複利の力を存分に活かしてることが大きな理由の一つです。

運用に関して

定期預金ですら0.1%程度の超低金利のこの時代、どうやって3%で運用すんねん…と思ったでしょう?

しかし、ここでは詳細は省きますが、当ブログで紹介している米国株や、全世界への長期投資なら、年率3%くらいは十分可能で、実際にこれまで実現しています。

むしろ、少し控えめに言っているくらいです。

それでも運用はちょっと…と思う場合は、定期型で保険料を安く済まし、終身型との差額分は貯蓄しておけば十分です。

貯蓄なら、何かあってもすぐに対応ができます。

終身型ならそうはいかないですよね。途中解約すれば、元本割れしてしまいますから。

有事の際、一番頼りになるのは現金であることは間違いありません。

僅かな返戻率のために資金を拘束される終身型に、どれだけのメリットがあるのでしょうか。

僕は常々こう思っています。

終身保険とは、一種のギャンブルである!

それも、圧倒的にこちらが不利なギャンブルですから。

収入保障保険も検討しよう

生命保険の一つに、「収入保障保険」という種類があります。

収入保障保険とは、死亡保険金の支払いを一括ではなく、年金のように「毎月少しずつ受け取る」という保険です。

遺族は収入保障保険と公的制度の遺族年金を、毎月の収入の柱にして生活することになります。

例えば20歳で加入し、死亡した場合には60歳まで毎月10万円(年間120万円)が支給される契約の場合。

もし30歳で死亡した時は残り30年間、毎年120万円=合計3,600万円を受け取ることができます。

50歳で死亡した時は残り10年間、受け取れる保険金の合計は1,200万円ということです。

このように、収入保障保険は亡くなった年齢によって受け取れる保険金の総額が変わる仕組みになっています。

生命保険は「高齢になるほど必要な保障額は少なくなる」のは、これまで解説したなかでお分かりだと思います。

そのため、収入保障保険の仕組みは生命保険としては非常に理に適った商品であることが分かりますね。

掛け捨てになるので、保険料も安く設定されています。とくに、若いときに「安い保険料で大きな保障を得られる」ことは大きいですね。

一般的な生命保険では一気にまとまったお金を手にすることになりますが、収入保障保険なら毎月給料のように保険金が受け取れるので、お金のやりくりもしやすいでしょう。

今後は収入保障保険がもっと広まっていくのではないでしょうか。

まとめ

保険はシンプルに、必要な保障額だけを商品として購入するというつもりで考えれば、無駄な保険料を支払う必要はなくなります。

この記事では終身型を否定し、定期型や収入保障保険をお勧めしています。にもかかわらず、記事では終身型のほうが多くスペースを割いています。

こうなるのは、定期型がシンプルで長々と解説する必要がないからで、終身型は仕組みが複雑にされている分、無駄が多いからですね。

生命保険に限りませんが、保険は「必要な金額」を「必要な時期のみ」用意するだけで十分です。

わざわざ、高い保険料を支払って自分のお金の使い道を限定する必要はありません。

また、無料の保険相談などでは、あなたのための保険を提案してくれるとは限りません。

相談に乗ってくれる人はボランティアではないのです。基本的には会社の利益になる商品を勧められるため、無駄な保険に加入させられる可能性も高くなります。

そうならないためにも、自分で様々な知識を得ることが、自分の人生を豊かにするために重要なことではないでしょうか。

おしまい。

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