昨年の夏、バイクでぶらり一人旅をしたときに訪れた名古屋市科学館のプラネタリウムは、月ごとに演目が変わるので、何度も行ってみたいと思える場所でした。
当時、今年度のプログラムを見て、1月に実施される「オリオン座物語」という演目に興味をそそられたので、今回はプラネタリウムを目当てにぶらり名古屋旅を敢行してきました!
高速バスでGoGo!
僕は京都に住んでいるので、名古屋までならバイクで行けないこともありません。が、さすがにこの時期は寒いからバイクは止めておきます。
そこで、値段と時間を考慮して交通機関を調べたところ、高速バスも電車もそうかかる時間は変わらない。しかし、値段は高速バスを早割で予約するほうが圧倒的に安かったので、高速バスを利用することにしました。
京都駅→名古屋 | 料金 | 時間 |
高速バス | 1,400円 | 2時間39分 |
JR | 2,640円 | 2時間13分 |
バスは「JR東海」で、前日までに予約することで通常2,600円のところ、1,400円と大幅割引が適用されます。ただし、土・日・繁忙期は2,000円なので、JRとどちらを選ぶかは悩みます。
JRは乗り換えが必要なので、高速バスのほうが楽っちゃ楽ですね。ということで、12時発の高速バスで名古屋を目指します。
ぶ~ん・・・
途中、名神多賀SAで休憩があり、トイレついでに店内を物色。
そこで近江牛カレーパン(350円)という美味しそうなパンを発見し、コーヒー(120円)と同時購入すれば400円になるという罠に引っ掛かり、パンとコーヒーを購入します。
ただ、ふと思ったのです・・・
バス内でカレーパン食ったら匂いハラスメントじゃね?…と。
そこには最大級に気を遣い、なるべくポリ袋に顔を近づけながらカレーパンを頬張る男の姿がありました。
ぶ~ん・・・到着!
バスの停留所には一人の外国人男性が佇んでいましたが、バスの先頭に乗っていた女性が降りるといきなり熱い抱擁が始まります。
時刻は15時前。とりあえず、カレーパンだけでは腹が満たされなかったので、駅構内で美味しそうなものを求めて歩き回りましょう。
昼食は…カレー?!
歩き回る前に、看板でどのようなお店があるのかをチェックします。むやみに歩き回るのではなく、こうやって計画を立てて行動するのがデキる男のたしなみよ。
さて、いくつかのお店を眺めて気になったのは二店舗。ひとつは名古屋らしさ全開の「きしめん」、もうひとつは「よもだそば」というお店。
というわけで、インドカレーがあるよもだそばに決定です!
(道を間違えながらも)お店に到着すると、まずは店外で食券を購入。ここは「たぬきそば」と「インドカレー」のセットを注文します。
こじんまりとした店内に入り、入口付近に着席。
ん?店員が食券を取りに来ない…と思ったら、自分で受渡口へ食券を持っていき、受け取りもそこで行うセルフ形式だったようです。
あっという間にそばとカレーが出来上がりました。
ふむふむ、インドカレーはオーソドックスなチキンカレー風ですね。どうやらそばの出汁を隠し味として使用しているようですが…
たまねぎはピューレにしているのでしょうか、形は残っていませんでしたね。味は少しピリッとするスパイシー感があり美味しかったです。
んで、たぬきそば。
僕の中で「たぬきそば」といえば、甘辛く味付けしたお揚げが入ったものでしたが、こちらの地域では揚げ玉を入れたものがタヌキだそうですね。
まぁ揚げがないと嫌ということはないので、美味しく頂きました。ちなみに、京都ではタヌキというと刻んだ揚げを入れて餡掛けにしたものを指すそうです。(知らんかった)
目指せ名古屋市科学館!
お腹も満たされたことですし、目的の名古屋市科学館へ向かいます。
前回はバイクで岐阜から名古屋入りしたので、名古屋駅からの道順は全然分かりませんが、「駅の東側でそう遠くないところ」という情報だけ覚えています。
そこで、ぶらり旅の神髄(?)、「とりあえず地図を見ずに適当に歩いてみよう作戦」を発動し、文明に頼らないことを誓います。
早速、前回来たときにグーグルマップで見た駅との方角・距離の記憶だけを頼りに、(多分)こっちだと思う方向へ進みます。
駅の周りで盲導犬の募金をしており、犬はかわいいな~と思いながら歩いていると、自転車に轢かれそうになりました。
すまん!と心の中で謝りながらテクテク歩いてくと、どう考えてもこの先は違うだろうという雰囲気になったので、そこから東へ進路を切り替えます。
三蔵通りと書かれた通りを東へ進んで広い通りへ出ますが、ぶっちゃけ名古屋市科学館への距離感が全く分からない。
記憶にあるのは科学館周辺は京都の碁盤の目のように、いくつもの通りが重なっていたことと、その周辺はわりと賑やかだったということ。
その記憶からすると、ここらで見える景色には全く見覚えがない。ということは、まだ東かもう少し北のほうか…
地図を見ないとどれくらい東へ来たかもイマイチわからず、とりあえず北へ進んでみようと再び進路を切り替えます。
はい、ここからは迷宮に迷い込みました。
進めど進めど見覚えのある景色がなく、右へ左へ進んでいると、もはや東西南北も曖昧に。こ、これは…
いい年したオッサンが名古屋で迷子になりました。
それでもオッサンは文明に頼ろうとせず、気合で名古屋市科学館まで辿り着こうと奮闘します。
なになに、錦橋?
どれどれ、桜橋?
ほうほう、日銀前?
むむむ、ジャニーズショップ?
完全にどこを歩いているのか分からないなか、一筋の光明が。
それはジャニーズショップという謎の店舗を通り過ぎた後に出た大きな通りが「大津通り」と書かれていたこと。
ようやく以前来たときにも見た記憶がある通り名が出てきました。大津は京都の隣、滋賀県にもある地域名なので、前回通ったときも目安にしていた通りです。
問題は、この通りからどっち方向へ行くのか…ぶっちゃけ、完全に迷子状態ですから、どっちが正解か全く見当が付きません。
ただ、明らかに迷子になっているので、通り過ぎているという可能性が高く、ならば反対側(南)へ進むしかないと考え、力強く歩き出したのです。
そうして合っているのか分からないまま歩き続けると、徐々に賑やかな街並みになっていき、ついにはドン・キホーテや観覧車が出てきました!
が…
そう、そんな賑やかな街並みになっても、前回通ったときにドン・キホーテや観覧車なんて見た記憶がありません。
こいつぁいよいよ到着するのが一週間後になるぜ…と思い、ついに僕は文明の力に頼ることになりました。
なんと、もはや名古屋市科学館は目と鼻と数百メートル先にまで迫っていたのです。そして、おそらく前回は〇印の交差点を北から進入し、右折して通ったとしか考えられません。
そのとき思ったのです。
ええ、何とか見覚えのあるところを頼りに探そうと思っていましたが、半年前にバイクで通っただけの道は、そもそもほとんど覚えていなかったのです。
しかし、ここまで来れば様々な店舗が並び、「あぁ、こんな感じやった」と戻ってきた感じがしますね。
思い出に耽(ふけ)り、ようやっと名古屋市科学館へ到着したのじゃ。
到着後の誤算
昼飯を食べて自転車に轢かれそうになったのが15時頃。到着したのはなんと…16時35分でした。いくらなんでもね、さすがに疲れましたわ。
まぁプラネタリウムでこの疲れを癒してもらえば良いかと、営業時間を確認すると…
散々道に迷ったおかげで、この日はプラネタリウムを見ることができませんでした~。
仕方ないので、この周辺を散策でもしましょう。前回は真夏に来たため、歩いて周辺を散策するのは自殺行為でしたが、今回はじっくり散策できます。
ただ、すでに歩き疲れて足はパンパン…とまではなってませんが、パンくらいはなってます。それより、最近買った靴があまり合っていないのか、指の付け根と甲の辺りがめちゃめちゃ痛い!
歩き疲れより、この痛みのほうがきつかったです。
で、痛みをこらえながらもあれこれ見て回ったわけですが、正直賑やかで色んなお店があるものの、こういった都会の街並みは見ていてもそれほど楽しくはないですね。
この辺りは飲食店が多い印象ですが、数(情報量)が多すぎて疲れます。
まぁ大体予想していた通りではありますが、とりあえず周辺をぐるっと一回りして、本日の寝床を探し、近くにあったカプセルホテル(風呂付)で宿を取りました。
名古屋飯を喰らう
この日にプラネタリウムを見れなかったのは想定外でしたが、晩御飯の楽しみが残っています。
候補として考えていたのは、鰻と名古屋コーチン。
以前、地元の肉屋で名古屋コーチンが売っていたので食べてみたことを記事にしましたが、そのときは名古屋コーチンの特別感をあまり感じることができなかったので、今回はリベンジコーチンをしようと思います。
店舗を探し、ホテルの近くにあるラシックという施設に入っている「鳥開 総本家」というお店に決めました。
窓側の景色が見える席に付き、メニューを閲覧。
う、美味そうだ…
今回は「名古屋コーチン親子丼+プリンセット」に加え、単品で名古屋コーチン串焼き3種盛り(1,093円!)を注文。
串焼き高ぇッ!と思いましたが、普段お金を使わないので、こういうときくらい奮発してもえーじゃないかと思います。
そして親子丼が登場。
早速、頂きましょう!
・・・
外側は半熟の卵ですが、その下には火の通った卵が。これは卵を2回に分けて入れる親子丼テクニックを使っていますね。さすがやで。
肝心の名古屋コーチンですが、噛むほどに旨味が出てくる…ような気がします。
ただ、正直なところ、親子丼をふたつ用意されてどっちが名古屋コーチンかと聞かれても、はっきりとは分からない。
いや、もしかしたら同時に食べ比べると違いがはっきりするかもしれんけど、個別で食べたときに圧倒的な違いがあるかと言われると、僕にはそこまで大きな違いがあるとは感じられなかったです。
続いて串焼きもやってきました。
左から胸・皮・ももですね。
個人的に、皮はパリッパリにするくらいが好みなので、少し焼きが足りませんでした。
胸はパサつく感じが全くなく、さすがに美味しい。
ももも(もも肉も)、味が濃くて美味しかったです。
最後にプリンが出てきました。
これはね、濃厚でめっちゃ美味しいんですが、個人的には上のパリパリは要らなかったな~と思います。パリパリがかなり甘いので、プリンの味が消されてしまうんですね。
これはパリパリはなしで、プリンだけで食べるほうが絶対に美味しいと思います!
総評として、全て美味しかったけど、値段を考えると普通の若鶏で作る親子丼や串焼きでも十分満足できるかな…といったところでした。
この後は、ホテルへ戻って風呂に入り、漫画が大量にあったのでキャプテン翼を読み漁り、寝床へ付きました。
Zzz・・・
リベンジ科学館!
おはようございます。
ぐっすり眠れて体力が回復し、ホテルに無料の朝食サービスがあったので腹ごしらえ。そして前日のリベンジのため、名古屋市科学館へ向かいます!
着いたのは朝イチではありませんが、平日ということでプラネタリウムの席は余裕で確保。開演まで1時間半ほどあるので、他のフロアーを見て回りましょう。
これは光のトリック映像で、実際に見るとそこにお城があるように見えますが、正面から見ると何もありません。
本邦初公開、僕(のカラフルな影)です。
これは「オービンソン錯視」といって、円の中に書かれた正方形の線が、内側に歪んで見えます。実際は正方形ですよ。
円の一部の色が違うと、そこにあるはずのない「四角形」が浮かび上がります。
あなたは「1秒」がどのように定義されているか知っていますか?
現在の1秒は、セシウム133の原資の基底状態の2つの超微細準位の間の…
これを考えた人はきっと変態でしょう。
さて、そうこうしている間にプラネタリウムの開演時間が迫ってきましたので、会場へ向かいます。
プラネタリウム「オリオン座物語」
今月の演目は「オリオン座物語」です。
ぶっちゃけオリオン座については全く知識がありませんが、星座の物語っていう響き…
ここでオリオン座の物語をお話しましょう。
海の神ポセイドンの息子である勇敢でハンサムなオリオンに、月の女神であるアルテミスが恋をします。
アルテミスは狩りの腕が達者な男勝りの性格ですが、オリオンに惹かれ、ともに狩りを楽しんでいました。
どういうわけか、アルテミスの兄であるアポロンはそれを好ましく思わず、どうにかしてアルテミスとオリオンの仲を引き裂こうとします。
ある日、オリオンが頭だけ出して海を渡っているとき、遠くにいたアポロンは「あれはオリオンに違いない…そうだッ!」と悪だくみを思いつき、アルテミスに「いくらお前でも、あの遠くに見える小さな島を射抜くことはできないだろう」と挑発します。
アルテミスは「わたくしを舐めないで頂戴あそばせッ」と言わんばかりに矢を放ち、見事命中。しかし、命中した矢はオリオンの身体を貫き、命を落とします。
兄に騙されたことに気付いたアルテミスは悲しみに明け暮れ、地上を照らすことを止めてしまいました。
アルテミスを気の毒に思った父ゼウスは、オリオンを星座に変え夜空へ上げることにしました。夜空に輝くオリオンを想い、アルテミスは再び地上を照らすようになりましたとさ。
ちゃんちゃん。
…
思っていた以上にベタな話でしたね。笑
プラネタリウムは約50分ほどですが、あっという間に終わりました。ただ、前半はオリオン座とは関係の話が多く、もうちょっと詳しく色んな話をして欲しかったなという気はします。
あと、このときはナレーションが男性だったのですが、個人的には女性の声のほうがプラネタリウムには合うんじゃないかと思います。
てか…
アポロンでも気付くのに、なんでアルテミスは的がオリオンであることに気付かなかったのか。それを言っちゃあおしまいですが、ギリシャ神話には無理やりな展開が多い…
帰京
プラネタリウムを見終え、周辺は前日に周ったので名古屋駅へ向かい、京都へ戻ります。
行きと違って帰りはさすがに迷いませんよ。
てか、前日最初に通った道を真っすぐ進んでいれば、実はものの30分もしないくらいで名古屋市科学館に着いていたという事実。
実際には、以下の図のようにぐるぐると回り道をしたのです。
グーグルマップの偉大さを改めて感じた今回のぶらり旅でした。もし僕が戦国時代に生まれていたら、敵陣へ向かうまでに間違いなく野垂れ死にしていたことでしょう。いや~、昔の人はすごいなぁ。
みなさん、旅をするときは地図をしっかり確認して進みましょう!

コメント