2020年5月20日、年金改革法が成立したとのことです。
これによって大きく変わったのは、これまでパートやアルバイトが厚生年金の加入対象となる企業は「従業員数が500人超」という部分が、今後は「100人超(2022年10月から)」・「50人超(2024年10月から)」となること。
以前から話題になっていたので、どうなるのか注視していた方もおられるかと思いますが、これまでは人数よりも収入について語られることが多かったんですね。
それは106万円の壁が「82万円の壁」になるんじゃないかという話ですが、今回のニュースを見るかぎり、収入について触れられていませんでした。
ということは、厚生年金の加入要件は収入面では変わらず、従業員数のみが変更されたという解釈でいいのでしょうか?これまで散々取り上げておいて、なぜ法案が通ったときには誰も触れないのか意味が分からん。
ぶっちゃけ、個人的には影響がないことなんですが、ブログを通じて情報を発信している身としてはちゃんとした情報を届けられるようにしたいとは思うので、調べても曖昧なことがあるとモヤモヤしてしまいます。
まぁ今回の改正案が適用されるのが2022年なので、それまでには正確な情報が分かるようになるでしょう。扶養の範囲内で働いている方が厚生年金に加入すると、自分で保険料を納めることになるので損をすると感じるかもしれませんが、長い目で見ればそんなことはないはずです。

その他の変更点についても簡単に触れておきます。
- 在職老齢年金の見直し
- 公的年金の受け取り開始時期の見直し
- 確定拠出年金の受け取り開始時期の見直し
- 確定拠出年金の加入年齢上限の見直し
まず、在職老齢年金、いわゆる公的年金の見直しについて。
これまでは60歳以降に働きながら年金を受け取る場合、給料と年金の合計が月28万円を超えると年金が一部、または全額が支給停止となります。そのため、この金額を超えないように働く時間を調整するケースも。
今後はこの金額が「月47万円」に引き上げられるため、今まで以上に働いて収入を増やしても、年金はしっかり貰えるようになります。
公的年金の受け取り時期については、現在の60歳~70歳までのところを、75歳まで受給を遅らせることができるようになります。
70歳から受け取ると支給額は42%増、75歳にすれば82%増になります。
現在は満額で約6.5万円なので、42%増なら約9.2万円、82%増なら11.8万円。この点に関しては個人の状況に合わせて選べばいいだけなので、とくに問題はないですね。
確定拠出年金の受け取り時期も同様に、75歳まで遅らせることができます。
運用の期間を延ばせば資産が増える可能性も高くなりますが、タイミングが悪ければ受給時期に株価暴落で減少する可能性もあります。それを避けるために確定拠出年金は高齢になれば元本保証の商品にしておきたいところですが、それだと75歳まで遅らせる意味がほとんどなくなりますね(置いてても増えないから)。
確定拠出年金の加入年齢上限の見直しについては、企業型は65歳から70歳に、個人型は60歳から65歳に引き上げられます。
受け取り時期に関してもそうですが、これらは選択肢が広がったというだけなので、良い悪いの判断は難しいですね。選択肢が広がって各々がどうするのがいいか考えるのが難しくなった…とは言えそうです。
長生きする自信があって運用によって資産をガンガン増やしたいという場合は、上限一杯まで制度を利用すればいいでしょう。ほどほどに働いて余生はのんびり過ごしたいなら、これまで通りの基準で判断してもいいかと思います。
ただ、何が起こるかは分からないのが人生なので、どれだけ考えても目論見通りにいくとは限りませんよ。
今回の改正案でもっとも影響を受ける人が多いのは、厚生年金の加入対象者拡大の要件です。それ以外については選択肢が広がっただけとも言えるので、あまり気にしなくてもいいかなと個人的には思いますね。
ただ、どうするのが一番いいか考えるの面倒、というか結論なんて出ないので、結局はベーシックインカムが一番公平で良いんじゃない?と思ったり思わなかったり。
とりあえず、専門家じゃないと理解できないような仕組みじゃなくて、もっと分かりやすい制度にしてもらいたいもんです。
ワケワカメな年収の壁特集です。

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