【資産運用】NISA・つみたてNISAとは~仕組みと違いを解説~

2014年に少額投資非課税制度(NISA)が開始され、2018年には新たにつみたてNISAが始まりました。どちらも個人による投資を積極的に行ってもらうために作られた制度です。

しかし、金融知識のない日本人に「非課税にするから投資してね」と言ったところで、浸透するはずもありません。

若いうちから金融知識を高める教育をしていくことが重要だと思いますが、すでに大人になっている人でも、今後の長い人生を考えると活用するべき制度です。

ここでは2014年に始まったNISA(通常NISAと呼びます)と、2018年から始まったつみたてNISAの仕組みと、それぞれの違いについて解説してきます。

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NISAとは?

NISAとは、本来投資で得た利益に掛かるはずの税金(約20%)が非課税になる制度です。

株の取引で1万円儲かった、やったぜ!!

と思っても、本来はそこから約2,000円が税金として徴収され、取引に必要な売買手数料も考慮すると実際には8,000円以下の利益にしかなりません。

税金高ぇよッ!!(心の声)

累進課税と分離課税

会社に勤めて受け取る給与は累進課税となり、稼げば稼ぐほど税率が高くなる仕組みです。そのため、高所得者=高納税額者となります。

一方、株式投資で得た利益や配当金は分離課税となり、どれだけ利益を得ても一律20%の課税となります。そのため、運用額が大きく利益も大きい人ほど有利になります。

この税制度の違いによって、お金持ちは投資によってさらにお金持ちになる仕組みとなっているんですね。

ちなみに、2017年に大ブームとなった仮想通貨の利益は今のところ雑所得として勘定され、給与などと合わせて申告する総合課税となっています。

つまり、仮想通貨で大儲けした人はクソ高い税金を支払う必要があります。

所得税だけでなく、翌年の住民税の支払いも増えることになるので、知らずにお金を使っていると酷い目に遭うので気を付けましょう。

非課税枠について

NISAは非課税が大きなメリットですが、いくらでも投資が出来るというわけではありません。通常NISA・つみたてNISAで非課税枠が設けられ、年間の投資出来る上限が決まっています。

非課税枠

・通常NISA…年間120万円
・つみたてNISA…年間40万円

注意点として、非課税枠は一度使うと再び利用することはできません。

例えば、通常NISAで1月に10万円の株を購入すると、残りの非課税枠は110万円となります。その後、購入した株が15万円に値上がりしたので売却して5万円の利益を得ます。

この5万円は非課税なので、丸々利益になりますね。

投資した分を売却したので、非課税枠が再び120万円になるかというと、そうはなりません。一度利用した10万円分は、株を売却しても利用することはできないのです。

つまり、残りの非課税枠は110万円のままということです。また、年間の上限枠を使い切らなかった場合、翌年に余った分を繰り越すことはできません。

非課税期間について

NISAでは、非課税枠とともに非課税期間というものが設けられています。

非課税期間

・通常NISA…5年
・つみたてNISA…20年

通常NISAは非課税枠が大きく非課税期間が短い、つみたてNISAは非課税枠は小さく非課税期間が長い…という特徴があります。

非課税枠の総額は、通常NISAが600万円、つみたてNISAが800万円となるので、つみたてNISAの方がより恩恵を受けられるかも知れません。

NISAの期間と非課税期間

通常NISAは2014年~2023年まで、つみたてNISAは2018年~2037年までの制度です。

2014年に通常NISAで購入した分は、2018年まで非課税期間として運用ができるため、その間に得た配当金・もしくは売却益が全て非課税となります。

翌2015年には、新たに年間120万円の非課税枠が追加され、2019年まで非課税期間として運用ができます。

通常NISAで購入出来るのは2023年が最終年となりますが、その年の非課税枠120万円分は、2027年まで非課税期間として運用することが可能です。

つみたてNISAも同様に、2018年の非課税枠40万円分は2037年まで非課税期間として運用し、2037年の非課税枠40万円は、2056年をもって非課税期間終了となります。

非課税期間終了後は?

非課税期間が終了したときには、下記のいずれかを選択する必要があります。

非課税期間終了後

1. 売却して損益を確定する
2. 課税口座に移す
3.ロールオーバーする(通常NISAのみ)

売却して損益を確定する

これはそのままの意味ですね。

非課税期間終了時に保有している銘柄を売却し、その時点で利益または損失を確定させます。損失が出ていれば残念ですが、必ずしも売却する必要はありません。

売却しない場合は、通常の取引で使用する口座に移行することができます。もちろん、利益が出ていても同様です。

課税口座に移す

課税口座へ移す際には注意点があります。それは、課税口座へ移行した時点の株価が評価額(購入価格)となることです。

10万円で購入した株が非課税期間終了時に20万円に値上がりし、それを課税口座に移した場合は20万円で購入した株とみなされます。

このように値上がりしていた場合はとくに問題ありませんが、値下がりしていた場合にはデメリットが発生します。

例えば、非課税期間終了時に株価が5万円に値下がりした場合。株価が戻るまで待とうと課税口座に移したとき、この株は5万円で購入したことになります。

その後、株価が元の10万円に戻ったとしても、購入額は5万円なので5万円の利益が出たことになるのです。

5万円の値上がり益に対して税金が約1万円掛かるため、最初に購入したときの株価に戻っただけなのに、なぜか税金を支払うという摩訶不思議な現象が発生します。

損失が出ていた場合にどうするかは悩ましいところですね。

対策としては、つみたてNISAなら長期間の運用となるため、長期間なら損失が(ほぼ)出ないであろう商品で運用することでしょう。

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ロールオーバーする

ロールオーバーは通常NISAでのみ選択することが可能で、非課税期間が終了した非課税枠の商品を、翌年の新たな非課税枠へ移行させる方法です。

例えば、2014年に非課税枠120万円(2018年まで)で株を購入したとします。

非課税期間が終了してもこの120万円分を売却したくないし、課税口座にも移したくない場合、2019年度の非課税枠120万円分へ移すことが可能です。

もちろん、その場合は2019年に新たに非課税枠を使って株を購入することはできません。これによって2019年から2023年までの5年間、再び非課税期間が続くことになります。

つまり、最初に購入した120万円分は最大10年間、非課税期間として運用できるんですね。

2019年以降に新規で購入した分については、通常NISA自体が2023年までなので、ロールオーバーしようにも5年後には非課税枠がないので不可能になります。

つみたてNISAでロールオーバーができないのも同じ理由で、2018年の非課税期間が終了する翌年(2038年)には積立NISAも非課税枠がないからです。

とはいえ、今後に制度が見直される可能性がないとも言い切れません。政府には是非とも使い勝手の良い制度へ改正してもらいものです。

その他の注意点

NISAの基本的な内容はここまで説明した通りです。

ここからは、その他に知っておきたいことを簡単に解説していきます。

つみたてNISAは個別株の取引不可

つみたてNISAのコンセプトは長期投資です。

投資初心者でも変な銘柄を選択しないよう、取引できる商品は金融庁の審査をクリアした長期投資に適した投資信託のみとなります。厳密にはETFも対象に入っているようですが、ほぼ取引できないのが現状です。

なかには適しているのか怪しい商品もありますが、投資未経験者にとってはつみたてNISAが最適な制度と言えます。

ただ、つみたてNISAは年間40万円までしか投資枠がありません。それ以上の金額を投資できる人なら、通常NISAを利用するのも良いでしょう。

通常NISAなら米国ETFも購入可能で、大手ネット証券では買付手数料も無料です。ただし、米国個別株は買付手数料が発生します。(なんでや?!)

NISA口座は1人1口座のみ

普通の証券口座は1人で複数開設できますが、NISA口座は1人で複数開設できません。現在では、1年ごとにNISAの証券口座を変更することは可能です。

その際、それまでのNISA口座で取引していた分はそのまま残すこともできるようです。まぁ面倒な手続きをしてまで口座を変更するほどメリットがあるとは思いませんが…

※2018年10月末より、楽天証券で投信積立の支払いを楽天カードで出来るようになるようです。つみたてNISAを楽天カードで購入すれば、楽天スーパーポイントが付くのでお得です。

口座はSBI証券楽天証券マネックス証券のいずれかで開設すれば問題ないでしょう。

ただし、途中でNISA口座を変更した場合、以前の口座分をロールオーバーすることはできないようです。また、その年にNISA口座で一度でも取引をすると、その年は口座変更することができないことも覚えておきましょう。

上記3社はいずれも投資する価値のある商品を取り扱っているので、どこを選んでも大差ありません。

損失が出ると不利

通常の課税口座では、損失が出た場合に損益通算によって節税対策が可能です。

損益通算とは、例えば10万円の利益が出た場合、約2万円が源泉徴収されます。(特定口座・源泉徴収有りの場合)

もし、その後の取引で5万円の損失が出た場合、トータルの利益は5万円となります。その場合、支払う税金は1万円で済むので、徴収された2万円のうち1万円が還付されます。

このようにして、損失を確定させて支払った税金を取り戻せるのが損益通算です。

わざわざ損失を確定させていたら意味ないやん…とも思いますが、損失を確定させるとその分の資金が手元に戻ります。

それを新たに収益が期待できる銘柄に投資することで、資金を効率的に回転させることもできるのがメリットだと思います。

しかし、NISAでは損失が出ても、特定口座の利益と相殺する損益通算ができません。

先ほどの例で、利益(10万円)は特定口座、損失(5万円)はNISA口座だった場合、トータル利益は5万円になっても税金は2万円引かれたままになります。

なぜ損益通算ができないのかは…分かりません。非課税期間終了時に株価が下がっていた場合もこちらには不利になるので、NISAは損失に弱い制度と言えそうです。

配当の受取方法に注意

株式の配当金の受取方法には数種類あります。

配当金の受取方法

1.配当金領収証方式
2.受取配当金受領口座方式
3.個別銘柄指定方式
4.株式数比例配分方式

違いまで覚える必要はないと思いますが、NISAで非課税にするには株式数比例配分方式を選択する必要があります。それ以外を選択すると、普通に課税されるようです。

非課税ではないNISAなんて何のメリットもありませんから、ここは確実に間違えないようにしましょう。これはヒジョ~に大事なことなので、五・七・五に合わせて覚えておきましょう。

NISAでは

かならず選べ

株式数比例配分方式

あぁ字余り…

まとめ

最後にまとめておきます。

通常NISA

・制度は2014~2023年まで
・非課税枠は年間120万円
・非課税期間は5年
・個別株の取引も可能
・ロールオーバー可能

つみたてNISA

・制度は2018~2037年まで
・非課税枠は年間40万円
・非課税期間は20年
・個別株取引はできない
・ロールオーバー不可

主なデメリットとしては、非課税期間終了時に損失が出ている場合の扱い・損益通算ができないことです。今後、これらが改善されれば俄然メリットが優ります。

個人的にはこんな複雑な制度を作るより、課税してもいいから税率を10%程度に下げてもらいたいと思いますけどね。

僕が選挙に出馬する際には

・NISAの廃止
・株式に関する税率の引き下げ

を公約に掲げましょう!!

おしまい。

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