「投資なんか、おやめなさい」を真に受けるのはおやめなさい!

アイキャッチ雑記

テレビなどでお馴染みの経済ジャーナリスト・荻原博子さんの書籍「投資なんか、おやめなさい」を読みました。

近年、国をあげて個人で投資を通じて資産形成をしてもらおうという動きがありますが、日本人は投資に対して消極的です。

荻原さんも例外ではなく、投資に対してかなり否定的な意見が目立ちますが、この本を読んでわかったことがあります。

それは、「荻原さんは、株式投資の知識がなさすぎる」ということです。

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全体的には良心的

この本に書かれている「投資」は株式以外にも、保険や外貨・債券など対象は様々です。

それらを売りつける際のセールストークに対して、「○○だから手を出さないほうが良い」という形で、なぜダメなのかを解説してくれています。

これに関しては概ね賛同できる内容も多く、基本的には知っておいて損はありません。

共感できないポイント

考え方は人それぞれですが、僕がこの本の内容で共感できなかったポイントがいくつかあります。

  • ドルコスト平均の考え方
  • 確定拠出年金
  • 「投資」の捉え方
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ドルコスト平均法の考え方

荻原博子さんは、ドルコスト平均法は愚の骨頂だと断言しています。ドルコスト平均法とは、「定期的に一定額を買い続けること」を言います。

例えば、ある株を株価に関係なく毎月1万円ずつ購入します。

ドルコスト平均法

1月は株価が1000円なので10株、2月は800円なので12株購入できますね。

2ヶ月分の合計は22株となり、投資額は2万なので1株あたりの取得単価は2か月目には909円となります。

3月からも同じように買い続け、5月に買い始めたときと同じ株価に戻ったとします。

すると、1月と同じ株価に戻っただけなのに、途中で安く買っていたため、平均取得単価が下がって利益が出るようになりました。

1株あたり153円高くなっているので、153円×59株で約9,000円の利益ですね。

というのが、ドルコスト平均法をおすすめするときの一般的なセールストークになります。ただ、これはメリットだけをみた結果であり、ドルコスト平均法も万能ではありません。

ドルコスト平均法が効果的なのは、いずれ株価が上昇する場合です。

逆に株価が下がり続けた場合、上図では3月の時点では持ち株数が増えることで損失も増えていきますね。

その後に株価が上昇すれば良いですが、下がり続けた場合にはより大きな損を出すことがドルコスト平均法の弱点でもあります。

しかし、荻原博子さんがドルコスト平均法に異を唱えているのは、これとは少し違う理由でした。

その理由を以下のようにおっしゃられています。

投資というのは、安く買って高く売るから、手数料を払っても儲かるのです。

なるほど、ごもっとも!と思った方は、営業マンのセールストークに騙される可能性が高いでしょう。

安く買って高く売るなんて、経済に精通している人であってもカンタンにできることじゃないんですよ。ましてや、素人にはなおさらです。

2016年の日経平均株価は、年初より年末のほうが高くなりました。にもかかわらず、その年に利益を出せた個人投資家は4割程度だったそうです。

多くの個人投資家は、株価が上がった年ですら「高く買って安く売り」損をしているのです。

大きな要因として、2016年は8月にチャイナショックによって株価が大きく下落したことがあります。そこで損失が大きくなるのを恐れた人は、損を覚悟で株を手放してしまうんですね。

人は利益を上げるよりも損失を出すことを恐れます

暴落(株価が安いとき)こそ利益を上げる絶好の機会なのに、実際に株価が暴落しているときに買い向かえる人は多くありません。だから、多くの人は株で損をしているのです。

ドルコスト平均法の図をもう一度ご覧ください。

ドルコスト平均法

荻原博子さんの言い分では、6月には株を買うのは愚か者ということになるでしょう。

というか、何をもって株価を高いか安いかを判断しているのか。表のなかでは3月が最も安くなっていますが、それがわかるのは後になってからです。

もし、6月以降に株価が上がり続けたとしたら、逆に利益を上げるチャンスを逃すことにもなりますよね。

株価が上がるかどうかを事前に察知することはできませんし、荻原さんの言う安く買って高く売るを実践することは現実的ではないのです。

ドルコスト平均法がもっとも優れているというわけではありませんが、どのようなスタイルでも一長一短があり、愚の骨頂と言い切るのは自分の無知をさらけ出しているようなもの。

だって株価が上昇し続ければ、ドルコスト平均法で十分なリターンが得られるんですから。

NYダウのチャート

これは米国NYダウの長期チャートです。

株価は短期的には上がったり下がったりですが、長期的には上昇し続けているのがわかりますね。

本来は、このように長期的に右肩上がりのチャートなら最初にまとめて一括投資することが、もっとも高いリターンを得られます。

しかし、多くの人は一括で投資する資金もないし、積み立てるように資金を追加していくしかできません。

金額が一定ではなくても、それはドルコスト平均法と同じ意味を持ち、米国株のような長期的に成長を続けるものには、ドルコスト平均法がベターな投資法であるということです。

確定拠出年金について

2017年からiDeCo(個人型確定拠出年金)の加入対象者が拡大され、専業主婦でも加入できるようになっています。

ただ、専業主婦にとってはメリットは少なく、あまり推奨しないという点に関しては同意できます。

ただ、荻原さんは「加入しなくて済むなら入らなくていい」と仰っていますが、その点には共感できません。

何も考えずに加入するのは良くないですが、節税効果や非課税効果は大きなメリット。仕組みを理解し、無理のない範囲で加入することに何の問題もないはずです。

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「投資」の捉え方

荻原さんは投資に関して否定的な意見ばかりですが、この方自身の投資に対する認識がおかしいです。

この方が仰っている投資とは、投資ではなく「投機」のこと。投機とは、カンタンに言えばギャンブルのようなものです。

投資は安く買って高く売るという発言からも、そう捉えているのは明らかですよね。

長期投資を疑問視しているのも、なぜか日本株についてしか話をされてません。そりゃ少子高齢化の進む日本株への長期投資はどうかと思いますよ。

しかし、米国へ目を向ければ長期的に成長を続けているのは明らかで、投資に対する知識は薄っぺらいと言わざるを得ません。

実際のところどうかわかりませんが、この方は投資に詳しくない人と同様、株は上がるか下がるかという投機的なやり方しか知らない人に思えます。

自身で認めた投資=ギャンブル

読んでいるうちに以上のことを感じたわけですが、本の最後にこのように書かれていました。


私は昔から、皆さんにはあまり「投資」をお勧めしてきませんでした。

けれど、私自身は40年近く様々な「投資」をしてきました。

それなのに、なぜ皆さんにお勧めしないのかといえば、「投資」=「ギャンブル」ということを、身銭を切って学んできたからです。

「ギャンブル」というのは、余裕がある人がやるもので、普通に働いていたら失ってもいいお金などそれほどないはずです。

はい、自分で「投資=ギャンブル」と言い切っています。

未来は不確実である限り、株式投資で絶対に損をしないと言い切ることはできません。

しかし、米国株などの長期投資には今後の成長を裏付けるものがあり、それは限りなく損をする確率を下げることに繋がります。

しかも、それらの投資は難しい知識は不要で、誰もが簡単にできる方法だということを、知っている人は知っています。

まとめ

この本では、保険や悪徳な投資信託についても言及されていて、それらについては賛同できる内容にはなっていました。

ただ、投資信託はすべてが悪徳なわけではなく、資産形成に適したものがあるのも事実。そういったことには、この本では触れられていません。そもそも、投資を否定してますからね。

最後に、感想を一言でまとめます。

荻原博子さんのいう「投資」の話なんか、真に受けるのはおやめなさい!

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